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カメラでハッピーライフ!

OLYMPUS OM-D E-M5 markIII レビュー 〜ハイレベルでそつのないクラシカルコンパクト機

E-M5 markIII

そういえばOM-D E-M5 markIII を買っていたのでレビューしたいと思います。

コンパクトなのに機能も揃っており非常によくできたカメラで、予想以上に使用頻度が多いです。

筆者が以前使用していたハイエンド機 E-M1 markIIに比べ進化している部分も多いです。



スペック

  • 2,037万画素 (ローパスレス?)
  • スーパーソニックウェーブフィルター
  • 121点 像面位相差AF(E-M1 markII 同等)
  • ファインダー 約236万ドット 有機EL 約0.6〜0.68倍(35mm換算)
  • バリアングルモニター 3.0型 約104万ドット
  • ISO感度200〜6400 最大 ISO25600(拡張)
  • 手ブレ補正 最大5.5段、レンズ+センサー最大6.5段
  • シャッター速度 60~1/32,000秒(メカ1/8,000) フラッシュ同調1/250秒以下
  • 連写 10コマ/秒(メカAFS)、6コマ/秒(メカAFC)、30コマ/秒(電子AFS)、10コマ/秒(電子AFC)
  • ライブコンポジット、ライブバルブ、プロキャプチャーモード、深度合成などなど
  • 8000万画素相当ハイレゾモード
  • 最大 14倍 ライブビュー拡大
  • micro USB 充電OK、給電×
  • micro HDMI Type D、マイク端子あり
  • シングルスロット(UHS-II)
  • 動画4K30p 29分制限あり
  • バッテリー持ち 約310枚、約660枚(省電力設定)、動画60分
  • 重さ 約414g(本体、バッテリー、SDメモリーカード1枚含む)
  • 防塵防滴


気になるスペックを抜粋してみました。

コンパクトミドル機ながら、そつのないスペックが揃っているのではないでしょうか。

今時USBは type-cにして欲しかったところです。


外観 — クラシカルでコンパクトなボディ

伝統のOM-Dスタイルのクラシックでかっこいい、いかにもオリンパスなデザインです。

多分、筆者としては最後の純血オリンパス機になろうかと思われるので、このいかにもなデザインが重要でした。


12-45mmF4 PRO12-100mmF4 PRO
12-45mmF4 PRO(左)、12-100mmF4 PRO(右)

12-45mmF4 PROだけWBが違っててすみません。いま手元にないもので…


NOCTICRON 42.5mm F1.225mmF1.2 PRO
NOCTICRON 42.5mm F1.2(左)、25mmF1.2 PRO(右)

グリップは小さいですが12-100mmF4 IS PRO ならなんとか使えます。シンクロ手ブレ補正がとてもよく効きます。


LEICA DG ELMARIT 200mm F2.8
LEICA DG ELMARIT 200mm F2.8 これはw


GF9と比較G9と比較
GF9と比較(左)、G9と比較(右)

G9と比較

G9 PROと比べるとふた回り以上小さい印象です。


第一印象はプラスチッキー

最初、箱から出した時、「うわぁプラスチックやん…」と少し悲しくなりました。

シルバーだったので尚更そう感じてしまいました。

まあ、これはこんなもんかと言うことで慣れますが。

でも、今はもう涙は出ません。


そつなくハイレベルな静止画と動画性能


マイクロフォーサーズの最終形画質なのか

大山

w/ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO


静止画の絵作りは、安定のオリンパス。

どのレンズを使ってもシャープでメリハリ感のある描写です。 とても、オリンパスらしいです。

オリンパスマイクロフォーサーズとしては最終世代となるこの描写です。

2000万画素時代となって、若干頭打ちしてるかに思えるようなフォーサーズセンサーですが、 今後、OMデジタルソリューションズでの進化の余地はあるのでしょうか。

パナソニックも同様ですので、なんらかのブレイクスルーが欲しいところですね。


進化したハイレゾショット

E-M1 markIIの頃よりも、より精細になったのではないでしょうか。

すでにE-M1 markIIは手放してしまっているので、同時に比較することができませんが、E-M1 markIIでは全く太刀打ちできなかったG9 PROにも迫る高精細な描写となっています。

2倍拡大にて表示

2倍拡大にて表示


↓元データ

E-M5 markIII

E-M5 markIII

G9 PRO

G9 PRO


とは言え、まだG9 PROほどの解像感には至っていませんが、ノイズというか粒状感が見えるG9 に比べ自然でスムースな画質です。


参考までにE-M1 markIIとG9 PROのハイレゾを比較した時の記事です。


なかなか楽しい フィッシュアイ補正

M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO

筆者が購入した理由のもう一つはこれ。

以前M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PROを購入してたのですが、魚眼が苦手で(なぜ買ったw)ほとんど使っていませんでした。

オリンパスのE-M1 markIIやこのE-M5 markIIIでは上記レンズの魚眼補正をリアルタイムで確認しながら撮影できます。

なんと11、14、18mm(35mm換算)の3段階での補正が可能で、これがなかなか楽しいです。

↓Fisheye補正適用

Fisheye補正適用

↓補正前 補正前

補正されるのはJPEGのみとなりますが、M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PROに3本分の単焦点レンズが追加されると思えば、E-M5 markIIIなどタダ同然です。


ずっと動画機として使っていたほど使いやす動画機能

バリアングル液晶


4K30pと飛び抜けたスペックはありませんが、バリアングル液晶でマイク端子がついていて、俯瞰用のブームに設置しても問題ないくらい軽量コンパクトなので、動画機としてとても重宝していました。

オートフォーカスの動きもとても自然で扱いやすいです。

パナソニックみたいに顔から離れないということはあまりありませんw

Youtubeを始めて、LUMIX G100 や ZV-1の導入も考えましたが、E-M5 markIIIのおかげで必要ありませんでした。 今のところですが…w


操作性は…ええ、まあ、うん。

軍艦部


唯一、文句を言うとしたら操作性ですね。

元E-M1 markIIユーザーながら、オリンパスの操作性の悪さには慣れる気がしません。

ほんと慣れの問題だけではないんですよね。

例えば、AFSとAFC,MFの切り替えがすぐできないとか、自動にしているとEVFとモニターの切り替えがメニューからしかできない上にどこにあるのかわかりにくいとか、拡大した後シャッター半押しで戻らないとか、ファンクションレバーが混乱の元なので電源レバーに置き換えるしかないけどそうすると電源レバーが何にも使えない…などなどなど。枚挙にいとまがないです。

カスタマイズで対処できることもあろうかと思いますが、すでにFn割り当てもいっぱいです。

と言ってもFnボタンの数の問題じゃないんですよね😅

現場で設定方法がわからなくてフリーズする(筆者が)ことが多々ありますw

ほんと良いカメラなだけに、もったいないんですよね。


EVFとモニター

背面

あ、そうそうここもスペック以上にプアな感じを受けます。

特にEVFは小さくて解像度も発色もイマイチで撮影テンションはあまり上がりません。

背面液晶も今どきとしては多少物足りなさを感じます。

液晶そのものの問題ではありませんが、LVブーストが上手くいってないことも多々ありました。


不安定?

まだ、持ち出し回数が少ないのでなんとも言えませんが、フリーズ2回と露出が全く変わらなくなることがありました。

フリーズのタイミングは忘れてしまいましたが、相変わらずここもオリンパスだなぁと言う感じですw

E-M1 markIIもね、結構固まってました。

一説によるとレキサーのSDと相性が悪いとのことで、確かにそうだった気もしてたのですが、レキサーじゃない時も固まっていました😂(E-M1 markIIの時の話)


彼岸花

w/ M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8


プロキャプチャーも使えて、顔・瞳認識も性能UP

ハイエンドクラス機ではないので、プロキャプチャーモード*1は付いていないかと思いましたが、付いてました。

そうか、ミドルクラスとはいえ電子シャッターは30コマ/秒が出せるんですよね。


あと、使ってて思ったのが、顔・瞳認識が非常に良くなっています。

E-M1 markIIの頃も使えなくはないレベルでしたが、さらに認識も食いつきもよくなっていて、やはりこれもパナソニックに迫る性能になってきました。

前述のとおり、動画においてはスムーズに顔から手前のものにAFが動いてくれるので、パナソニックのものより使いやすいです。


森

w/ LEICA DG NOCTICRON 42.5/F1.2 プロキャプチャーも瞳認識も関係ない作例ですみません😂


サードパーティ製の神L型プレートグリップ

E-M5 markIIIを俯瞰撮影用に取り付けるためL型プレートが必要だったのですが、こんな専用品があったので買ってみました。

底面に六角レンチを収納できて、プレートの伸縮も自在でレンチを使用することでかっちり止められて非常に使い勝手がよろしかったです。

グリップの形状も申し分なく大きめのレンズを装着する場合は頼もしくアシストしてくれます。

手の大きな筆者でも小指が余らなくなります!

小指が余らない


いやーこれは良い買い物でした。

せっかくのE-M5 markIIIの軽さは多少スポイルされてしまいますが、それ以上に利便性と安心感が得られるアクセサリーでした。

とてもオススメです。

L型プレート底面

L型プレート装着

伸ばしてマイク装着バリアングルをかわすためのプレートの欠けはない
伸ばしてマイク装着(左)、バリアングルをかわすためのプレートの欠けはない(右)

筆者が購入したものと同じと思われますが、さらに1,500円も安いです…


まとめ

もう一度よくない部分をまとめると

  • 第一印象 プラスチック
  • 撮影テンションの上がらないEVFとモニター
  • オリンパスらしい操作性のイマイチさ
  • もしかして不安定?

といったところでしょうか。

操作性がイマイチとは言え使えないわけではないので、オリンパス慣れされている方にとってはさほど問題ではないんでしょうね。ただボタンが少ない分E-M1 markIIよりも難しい気がします😅


逆に良いと思う部分は

  • コンパクトでクラシカルなデザイン
  • 動画も使いやすいバリアングル液晶
  • 向上した顔・瞳認識
  • 解像感の上がったハイレゾショット
  • 実は使えるプロキャプチャーモード
  • 飛び抜けてはないがそつなく使いやすい動画性能
  • なかなか楽しいフィッシュアイ補正

という感じで、当初の予定以上に使用頻度が高いです。


もちろん

  • もちろんよく効く5軸手ブレ補正
  • このサイズで防塵防滴
  • ゴミが(ほぼ)つかないSSWF

という、オリンパスならではの良さもきちんと継承されています。この基本性能が素晴らしい。


レンズキットで購入したM.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PROとの愛称は抜群で、旅のお供としては最適でした。

でした…。

というのも LUMIX S5 購入資金のために売ってしまいました…。ちょっと後悔しています😅。


でもLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S.との組み合わせも悪くないですよ。

LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S

オリンパスボディとパナソニックレンズの組み合わせの場合は、レンズの手ブレ補正スイッチをOFFにする必要があります。


飛び抜けた性能こそありませんが、静止画も動画もハイレベルにそつなくこなす、コンパクトでかっこいいカメラです。


価格もいい感じに下がってきていますので😭 旅のお供やサブ機として、またはエントリークラスからのステップアップとしていかがでしょうか。

価格下落グラフ
via: kakaku.com


ただ、店によっては同等以下の価格でE-M1 markIIが買えてしまうので悩ましいところです。

1世代前とはいえハイエンド機なのに驚くほど安いですね。

E-M1 markII、再び欲しくなってきた…😂


渓流

渓流

セミの脱皮

*1:シャッターを押し切る数秒前の写真をも記録するチートモード