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カメラでハッピーライフ!

撮りたいもの別、初心者向けオススメ一眼カメラ

前回の記事(カメラを始める方にオススメを聞かれるとやっぱりマイクロフォーサーズになっちゃう理由 - toshiboo's camera )のはてブにて非常にありがたいご意見をいただきました。

“なぜこう言う記事を書く人は、なにを撮りたいかで書かないのか”

もう、まさにごもっとも。

筆者も「初めてカメラを買う人=なにを撮っていいかわからないけどカメラが欲しい」そんな先入観で書いてしまっていました。

もちろん、そのような漠然とした撮影目的の人がいないわけではないのでしょうが(自分もそうでした)、 目的あっての道具とすれば当然目的別のオススメを考えないと、と思いました。

どういう性能に特化したカメラを使うのが良いかを中心に書きますが、一応オススメする具体例はパナソニック、オリンパスのマイクロフォーサーズを中心に紹介したいと思います。全く触ったことのないカメラをオススメとするわけにもいかないのでカメラメーカーに偏りがあることをご了承ください。

あくまで、初心者向けと言うことなので価格控え目で考えました。

なお写真はあくまでカット的な意味合いであり、必ずしもオススメするカメラとレンズで撮影したものではありません。


風景

風景撮影を目的とした場合、より注目したい点としては、

  • 画素数

  • ローパスレス

ではないでしょうか。


AF性能や連写性能はあまり重視されません。


現在販売されているカメラならエントリークラスでも、マイクロフォーサーズで1,600万画素、APS-Cで2,000万画素以上あるかと思いますが基本それでも十分です。

解像度としてはA3プリントも楽勝でこなせますし、5Kディスプレイでも1400万画素ですので拡大されることなく表示できます。

ただ、タブレット等で拡大しながらの鑑賞や、トリミング耐性は画素数が多い方が有利です。最終的に同じ解像度で出力するにしても高画素の方が解像"感"がまして見えやすいです。


大山 LUMIX G9 PROハイレゾモードにて撮影


どちらかと言うとローパスフィルターの有無が描写に関わってくると思います。

ローパスフィルターはモアレの発生を防ぐためにイメージセンサー前面にあるものですが、それがあるとどうしても解像感が少し落ちてしまいます。 *1

そのため最近はローパスフィルターレスのものが増え、モアレが出やすい代わりにカリカリに解像するカメラが多くなりました。

なので最上クラスを目指すならフルサイズ高画素機でローパスフィルターレスのSONY α7R IIIやNikon D850などが最適と言えると思います。


初めてのカメラとなると前回の記事で紹介した1600万画素ローパスレス機のパナソニック LUMIX GX7 markII でもボディ性能としては十分です。コスパも最強です。


追記:こちらは後継機のGX7 markIIIになります。より高画素の2030万画素になっております。


さらに一つ上の提案としてはオリンパス OM-D E-M5 markII にはハイレゾショットと言うセンサーをずらしながら連写された8枚の画像を合成して4,000万画素のJPEGまたは 6,400万画素のRAWを生成するモードがついており、かなりの解像感を持った写真を撮影することができます。被写体が動かないものでかつ三脚が必須となりますが、風景撮影にとっては付加価値の高い機能です。


追記:こちらは後継機のE-M5 markIIIになります。

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同じマイクロフォーサーズ規格である、OM-D E-M1 markII、E-M1X、PEN-F、パナソニックLUMIX G9 PROにも同等の機能が備わっています。


富士フィルムのカメラはカラープリセットが非常に秀悦で、拝見する写真がどれもとても良い色なんです。風景撮影でも非常よく使われています。 コスパが良さそうなのはX-T20とかでしょうか。筆者もぜひ使ってみたいです。


風景撮影に向いたレンズ

もちろんキットレンズでも全く問題ありませんが、 超広角レンズを買われるとより広い範囲を撮影でき風景撮影の楽しみが広がります。

マイクロフォーサーズでいえばM.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6あたりが一番お手頃です。


スナップ

スナップ撮影に求められるものといえば

  • 軽量コンパクト

  • 速写性(起動の速さなど)

ではないでしょうか。

出会ったシャッターチャンスに、ポケットやバッグからサッと取り出して撮影できる。そんな機動力が重要です。


レンズ交換式の一眼カメラではありませんが、リコー GRシリーズは実にコンパクトでまさにスナップ向きのカメラです。筆者は2世代前の初代GR(APS-C)を使っていますが使い心地も描写も最高です。(AFと液晶の見づらさは置いといて😅)


エントリークラスの一眼カメラとなりますとやはりマイクロフォーサーズ機のオリンパスPEN EP-L8がオススメです。

ファインダー(EVF)がついていないのが好みの別れるところですが、コンパクトで動きもキビキビしていてボディの質感もとても良いです。 3軸手ぶれ補正、チルト液晶も備わっています。一つ型落ちにはなりますがダブルズームキットなどとても安くなっています。


追記:こちらは後継機の E-PL9になります


あとは、やはり先ほども紹介したパナソニック LUMIX GX7 markII でしょう。こちらはEVFも搭載しており1クラス上のカテゴリーになります。


スナップ向きのレンズ

やはりこれもコンパクト性が求められます。

キットレンズでも十分ですが、LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7 ASPH.はレンズ鏡筒も1ランク上の金属製で、写りもクリアな中に味があり大変素晴らしいです。

画角は30mm(35mm換算)の広角となります。スナップとしてとても使いやすい画角です。

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壊れた車の車内
GX7 markIII + LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7 にて撮影。タケル (id:sfTKL) 氏によるLightroomプリセット IW LogiClear I (Base)にて現像。


登山・アウトドア

登山やアウトドアに求められるものは

  • 堅牢性(防塵防滴)

  • 軽量システム

ではないでしょうか。

水しぶきや雨や砂埃、移動時の寒暖差などで壊れてしまっては、いくら高性能で画質が良くてもいざという時撮影できなく意味がありません。

軽量であることは登山ならなおさら重要です。荷物をなるべく軽量にして安全に行きましょう。

そうなると、OLYMPUS OM-D E-M5 Mark II が防塵防滴で、マイクロフォーサーズというレンズを含め軽量なシステムを組めるのでオススメです。モデル末期ということもあり値下がりもしていますし、中古のタマも多くあります。


登山・アウトドア向きのレンズ

防塵防滴性能を生かすためには、レンズも防塵防滴、ボディと同一メーカーとする必要があります。

防塵防滴性能はどうしてもコスト高になりますがオリンパスM.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIなら、かなり価格も抑えられていて、さらに10.7倍ズームとなるので多くの場合でレンズ交換の必要がなくなるでしょう。

焦点距離はワイドよりになりますがM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROですとレンズの質感も描写もワンランク上となります。こちらも性能に対してかなり価格が抑えられています。

どちらもOM-D E-M5 Mark II と組み合わせたレンズキットがあります。

追記:こちらは後継機のE-M5 markIIIになります。


あと、描写的にはなんのプラスにもならないので筆者は使っていませんが、アウトドアで使用されるならプロテクトフィルターがあったほうが安心です。

購入されるレンズのフィルター径にあったものを選びましょう。

M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIですとフィルター径は58mmになります。


飛行機、スポーツ、鳥など

大きく括りましたが遠くから狙って動く被写体になります。

重視したい点は

  • AF性能

  • 高速連写

ではないでしょうか。


ブルーインパルス


望遠レンズを使うジャンルとなるので

  • 望遠レンズに見合ったボディサイズ

  • ファインダー

  • 手ぶれ補正

あたりも重視したいです。


撮影ジャンルの中でももっともボディ性能が問われます。

そして、その性能を求めるとどうしても価格が高くなってしまいます。

低予算で抑えるなら中古を狙う方が良いかもしれませんが、高速連写機ということでシャッター回数が気になります。


マイクロフォーサーズならパナソニックLUMIX G8 がオススメです。

しっかりとしたグリップとボディサイズで、連写はメカシャッターで9コマ/秒[AF固定]、6コマ/秒[AF追従]となります。

あとは、アウトドアの項でも紹介したE-M5 markIIが10コマ/秒[AF固定]、5コマ/秒[AF追従]となりますが、グリップがコンパクトなため、レンズサイズによっては外付けグリップをつけた方が良いかもしれません。


追記:後継機のLUMIX G99になります。


一つ上ハイエンドクラスであるE-M1 markIIやLUMIX G9 PROですと、電子シャッターを使えば18〜20コマ/秒(AF追従)になります。さらにシャッターボタンを押し切る10数コマ前から撮影できるという魔法のような機能もついていて、鳥の飛翔シーンなどを撮影するのにはズルいと思えるくらい便利です。


梅とメジロ


あとマイクロフォーサーズ以外では、一眼レフAPS-Cの高速連写機キヤノンEOS 7D mark II やニコンD500などが多く使われています。 7D mark II は発売から4年以上経過していることもあり価格はこなれて中古のタマも多いです。

ただ中古の場合は前記の通りシャッター回数が気になりますので確認できなければやめておいた方が無難です。


飛行機、スポーツ、鳥などに向いているレンズ

基本的には望遠〜超望遠と言われる焦点域のレンズを使うことになります。

特に、被写体が小さくなる野鳥などは400mm以上を使うことになる機会が多いでしょう。

そして、シャッタースピードを稼ぐためのレンズの明るさと、AF駆動の速さも求められますが、価格がとんでもないことになりますのでまずは焦点距離のみを考えてみましょう。

マイクロフォーサーズですと LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 II/POWER O.I.S. が35mm換算200mm〜600mmの超望遠ズームとなります。レンズの明るさも望遠端でF5.6確保されています。しかも安価で、とてもコスパの良いレンズです。


この大きさ重さ価格で35mm換算 600mmF5.6まで使えるズームレンズとは、まさにマイクロフォーサーズ冥利に尽きるレンズです。


ポートレート


ポートレート撮影において

  • 瞳AF

が搭載されているととてもポートレート撮影が容易になります。


背景をぼかして被写体を引き立たせるためにも

  • 明るいレンズ

があると最適です。

F値が明るく(数字が小さく)、焦点距離が長いレンズの方がより背景をボカすことができます。

長い方がボケるといてっも被写体(モデル)との距離もありますので多くの場合85mm(35mm換算)ぐらいの焦点域が使われます。少し周囲の情報を含めて撮影できる50mm前後も使いやすいと思います。


センサーサイズが大きい方がボカしやすいため、瞳AF性能が極めて優秀なソニー α7 IIIがイチオシです。瞳AFの追従・精度がとても素晴らしいです。

しかし流石に価格が高いです。一世代前の α7 IIだとフルサイズ機にしてはかなり安価ですが、瞳AFはAF固定(AF-S)のみとなり、精度も α7 IIIに比べて落ちるようです。( すみません、α7 IIの瞳AFは使用したことがありません。)


α7 IIがいくらフルサイズ機にしては安いとはいえボディのみで10万円を超えます。

そこでやはりマイクロフォーサーズだとかなりお手頃となり、何度も紹介した超コスパ機GX7 markIIには瞳AFも搭載されており、かなり優秀なスピードと精度で使えます。


チューリップ
LUMIX G9 PRO + M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8にて撮影。タケル (id:sfTKL) 氏によるLightroomプリセットIW Reversal VVD Iにて現像。


ボートレート向きなレンズ

前述の通り明るいレンズが良いのですが、単焦点レンズには明るいレンズが豊富にあります。

ズームではないので画角は固定ですが、その分安価で描写の良いものが多いです。

各メーカーで撒き餌レンズと呼ばれる50mmF1.8に相当するレンズが一番手を出しやすいでしょう。みんなここからレンズ沼へ入っていきます。


マイクロフォーサーズには 35mm換算90mmとなる、コンパクトで安価なM.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8が存在します。

あまりに安かったので筆者も先日購入しました!(笑)

まだ作例らしきものは撮れていませんが、描写もボケも大変美しいです。そして何よりコンパクト。 GX7 markIIIに付けっ放しで毎日持ち歩いています。


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その他

すみません、かなり長くなってしまったので飛ばし気味に行きます。


星の撮影は高ISO感度を使用するシーンが多いので、マイクロフォーサーズが一番不得手とするジャンルでもあります。


星の軌跡
OM-D E-M1 markIIライブコンポジットにて撮影

ただ、オリンパス機のライブコンポジットがあったり、パナソニックには星空AFなるものが搭載されており星の撮影がより手軽にチャレンジできるかと思います。星にAFできるんですよ?一眼レフでは考えれらませんでした。

どのカメラにせよ三脚必須となります。三脚は長く使えるものですのでしっかりとしたものを購入しましょう。

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マクロ・テーブルフォト

マクロ撮影はレンズ次第ですが、マイクロフォーサーズなら最大撮影倍率(35mm換算)が稼ぎやすく、よりクローズアップした撮影が可能です。

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テーブルフォトも小さなボディとレンズで周りに迷惑にならなかったり、テーブル上で邪魔にならないとか、寄れるレンズが多いのでマイクロフォーサーズは向いていると言えるでしょう。


まとめ

最後駆け足過ぎましたが💦ざっとこんな感じでしょう。

筆者のカメラ遍歴(キヤノンAPS-C/フルサイズ、ニコンフルサイズ、マイクロフォーサーズ)を経て現在マイクロフォーサーズメインになっていることもあり、マイクロフォーサーズ中心の話となってしまいましたが、非常にバランスの良いシステムだと思い今ここにたどり着いています。

ましてや初めてのカメラで、無理して高価なフルサイズ一眼カメラを買うこともないかなと思います。


LUMIX GX7 markIIは生産終了

散々何度も紹介してきました、超コスパ機 LUMIX GX7 markII ですが、すでに生産終了となっております。

まだ、在庫のある店舗は多いようですが、後継機のGX7 markIII はまだまだ高値ですので、欲しい方はお早目に決断された方が良いかと思います。(煽ってないですw)


長くなってしまいましたが、初めてのカメラ選びの参考にしていただければ幸いです。


追記:こちらは後継機のGX7 markIIIになります。より高画素の2030万画素になっております。


*1:ローパスフィルターが無用の長物というわけではなく、ないほうがカリッとはしますが、モアレは発生しやすくなり、実際筆者が使用しているD800E(正確にはローパスフィルターキャンセル)では遠景の瓦やフェンスなどにモアレが発生してしまいます。 またカメラの画素数やセンサーサイズによってもローパスフィルターの影響度が変わります。