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中望遠撒き餌レンズ M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 レビュー【マイクロフォーサーズ単焦点レンズ】

ふと オリンパス M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 の価格を見たら中古がとんでもなく安かったので買ってみました。

焦点距離が同じような、パナソニック LEICA DG NOCTICRON 42.5mm/F1.2(中古ベースでお値段約7倍)を所有しているのにも関わらず買ってしまうとか、やはりどこかおかしいと自分でも思います。


GX7 markIIIに装着した45mm F1.8


まさに撒き餌価格

撒き餌レンズ。

消費者をレンズ沼へ引き摺り込むためにメーカーが用意した、描写がよくてボケの大きい写真が撮れる価格を抑えた大口径単焦点レンズのことです。

撒き餌レンズの画角は35mm換算 50mm前後が一般的ですが、今回紹介するのは中望遠域に当たる35mm換算 90mmのレンズになります。

画角的にはポートレートで最も使われますし、景色を切り取っていくスナップとしても大変面白い焦点距離です。


「欲しい要因が価格なら買うな。買わない要因が価格なら買え。」という金言があります(あるのか?)。

これは間違いなく前者でしたが買ってしまいました😅

いや、もちろん価格だけじゃないんですけど、最初のトリガーが価格だったのは否定できません。

だって中古が1万7,000円くらいであるんですよ。もっと安いのもあります。

お買い物マラソン開催中でしたし…しょうがないですよね💦


カラーはシルバーとブラックがありますが、シルバーの方が中古のタマが多いです。


こけ Panasonic DC-GX7MK3 OLYMPUS M.45mm F1.8 ƒ/1.8 45.0 mm 1/40 200


超コンパクト

このレンズ、驚くほどコンパクトです。

こういうサイズのレンズがあるのはマイクロフォーサーズの醍醐味だなと再認識させられます。

重さはわずか 116gです。


 M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 と LEICA DG NOCTICRON 42.5mm/F1.2
M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8(左) と LEICA DG NOCTICRON 42.5mm/F1.2(右)


このサイズでF1.8ですからね。

焦点距離はよくある撒き餌レンズの50mmF1.8に近いので、光学的にコンパクト設計しやすい焦点域だとは思いますが、それら撒き餌レンズに比べてもさらに数回り小さいです。


プラスチック製の鏡筒ではあるものの外観もなかなか良く、ピントリングがとても滑らかで触り心地がとても良いので高級感を感じます。


絞り羽根枚数は7枚です。

最短撮影距離は50cmですので、50mm前後のレンズとしては普通〜やや寄れないくらいです。マイクロフォーサーズにしては意外と寄れません。

最大撮影倍率は0.11倍(35mm判換算 0.22倍相当)になります。


パナソニックボディにて使用してもAFスピードが遅いと感じることはありませんでした。


GX7 markIIIに装着

GX7 markIIIにもバッチリ似合います



積極的に開放から使いたい

開放からカリカリという描写ではありませんが、十二分な描写性能で滲みやフリンジも極めて少なく、積極的に開放から使いたくなります。

マイクロフォーサーズといえども、90mm(35mm換算)F1.8ともなると十分なボケ量を得られます。

何と言ってもそのボケ味が滑らかで美しいです。

特に開放の周辺部でも丸ボケがまん丸のままなのは、特筆すべき点だと思いました。大事なことなので特に特筆しました。

アウトフォーカスさせたイルミネーションを撮りたくなりますね。早くクリスマスにならないかなー。


花 Panasonic DC-GX7MK3 OLYMPUS M.45mm F1.8 ƒ/1.8 45.0 mm 1/640 200

にじみが出やすい逆光のツツジでも問題なし。丸ボケが綺麗です。


LEICA DG NOCTICRON 42.5mm/F1.2との描写比較

何度か比較テスト画像を撮りに出かけたのですが、2回ほど失敗してしまい結局自宅で撮影しました💦

結果、一番違いがわかりやすい撮影ができたと思いますので良しとします。


比較


左下にくしゃくしゃに丸めて広げたアルミホイルを置いてありますので丸ボケの確認ができると思います。

流石にLEICA DG NOCTICRON 42.5mm/F1.2の開放ではレモンとかラグビーボールと呼ばれる形になってますが、大口径レンズの開放としては普通です。

M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 の方は開放F1.8からまん丸です。こんなに隅でもまん丸です。

ボケ以外の描写としては、若干LEICA DG NOCTICRON 42.5mm/F1.2の方がコントラストがあって色が濃い目ですが、 M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 の方があっさり目でポートレートの肌の描写などにはこちらの方が向いているかもしれません。

焦点距離の違いから、同じF値でもM.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 の方がボケが大きいです。思ったよりこの差があります。

正直なところ、F1.2のスピードとボケが必要なければM.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8で良いんじゃないかというくらいの違いです。

この例のように同じワーキングディスタンス(被写体との距離)なら、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8のボケ量もF1.2に近いほどあります。


ハイレゾモードで比較

恒例、G9 PROにて8000万画素ハイレゾモード*1での比較です。

ハイレゾ比較画像用の縮小
この鉄塔部分を等倍でトリミングして比較します


比較


正直ハイレゾモードで等倍比較するのは過剰な検証とも思いますが、レンズ解像力の違いをはっきり確認するのにはとても有用です。

参考としてM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROの45mm付近での例も右端に載せています。

流石にM.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 の開放1.8ではいまいち解像しきれていませんが、F4だと十分ハイレゾに耐えうる解像力があります。 F5.6まで絞るとカリカリになります。


しかしこの検証をするたびにM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROすげーってなりますね。8.3倍便利ズームとは思えない解像力です。


GX7 markIIIに装着(横から)


総評

正直、この価格でここまでの描写をするとは思いませんでした。

これほどコンパクトなので、中望遠スナップには最適ですし、スナップだけに使うのももったいないくらいの描写です。

中望遠ということでパースがつきにくくブツ撮りにも最適です。


俯瞰フォトも自分の影が写りにくい!


LEICA DG NOCTICRON 42.5mm/F1.2と比べてもボケ量にそこまでの差があるわけでもなく,むしろ丸ボケは美しいので、価格差まで考えれば M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 の方を選ばない理由がないとも思えるくらいです。

文字にしにくい描写の違いもあるから LEICA DG NOCTICRON 42.5mm/F1.2 の魅力は衰えない!と思いたいですが、ちょっと悔しいです。軽量なこともありM.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8の持ち出し回数の方が断然多くなりそうな予感がします(笑)

このくらいの大きさだと、常にカメラバッグのポケットに入れといても邪魔にならないくらいなんですよね。


では、最後に拙い作例を並べておきます。いやー本当に安くて良いレンズです。


花 Panasonic DC-GX7MK3 OLYMPUS M.45mm F1.8 ƒ/1.8 45.0 mm 1/1250 200


チューリップ Panasonic DC-GX7MK3 OLYMPUS M.45mm F1.8 ƒ/1.8 45.0 mm 1/4000 200

春用Lightroomプリセットにて現像

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夕景 Panasonic DC-GX7MK3 OLYMPUS M.45mm F1.8 ƒ/5.6 45.0 mm 1/6400 200


花 Panasonic DC-GX7MK3 OLYMPUS M.45mm F1.8 ƒ/1.8 45.0 mm 1/1000 200


ボタン Panasonic DC-GX7MK3 OLYMPUS M.45mm F1.8 ƒ/2.8 45.0 mm 1/400 200


滝 Panasonic DC-GX7MK3 OLYMPUS M.45mm F1.8 ƒ/1.8 45.0 mm 1/160 200


花 Panasonic DC-GX7MK3 OLYMPUS M.45mm F1.8 ƒ/1.8 45.0 mm 1/640 200


海 Panasonic DC-G9 OLYMPUS M.45mm F1.8 ƒ/5.6 45.0 mm 1/250 200



今回比較したLEICA DG NOCTICRON 42.5mm/F1.2のレビューです。

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*1:センサーをわずかにずらしながら8枚撮影し高解像度画像を生成するモードです。オリンパスのハイレゾショットと同等機能です。