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M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3 と 12-100mm F4 IS PRO 比較レビュー【マイクロフォーサーズ超高倍率ズームレンズ】

購入以来ほぼG9 PROに付けっ放しとなっております、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3ですが、せっかくM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO も持っていますので比較レビューをしてみたいと思います。


キャッチ画像


ついでと言ってはなんですが、LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 と LEICA DG ELMARIT 200mm/F2.8 も焦点距離に応じて比較しています。

比較データはRAWで撮影し無設定のままLightroom Classic CC でJPEGに書き出しています。


大きさと重さ

M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3 と M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO。

フィルター径は同じ72mm

広角端でのレンズの太さ長さともに12-100mm F4.0 IS PROが大きいですが、望遠端で鏡筒が伸びきった時は 12-200mm F3.5-6.3の方が長くなります。


二つのレンズを立てて並べた状態鏡筒を伸ばした状態


重さの方は金属製外装である12-100mm F4.0 IS PRO の 561g に対し 12-200mm F3.5-6.3 は 455g。ボディに取り付け手にした感じはさらに軽く感じます。

この大きさ重さで(35mm換算)24-400mmの16.6倍ズームというのはまさにマイクロフォーサーズ冥利に尽きるといった感じです。


広角端 12mm(35mm換算24mm)

こちらの画像はM.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3 と M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO に加えLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0の3本のレンズの広角端12mm絞り開放で撮影したものを縮小し並べたものです。


比較


開放とは思えないくらい12-200mm F3.5-6.3 の周辺減光が少なく極めて優秀です。

どの焦点域もですが比較すると12-100mm F4.0 IS PROは全体的に黄色がかっています。それぞれの画像にホワイトバランスの差異はありません。

ただ比較ではそう感じますが、夕方に近い時間帯ですのでシチュエーションとしては正しい色とも思いますし、料理やポートレートなどではむしろ好ましい結果になると予想できます。


続いて中央合焦部を等倍で切り出したものを並べました。(画像をフリッカーからフォトライフに貼り替えたため等倍では見れなくなりました。ご了承ください。)


比較


等倍程度では、解像具合の違いがわかりません。

12-200mm F3.5-6.3も開放からとてもシャープで 、むしろLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0の開放の描写が少し甘く感じます。


60mm(35mm換算120mm)

続いて12-60mm/F2.8-4.0の望遠端である60mmでの比較です。

コメントできないほど違いがわかりません(笑)


比較


切り出しです。


比較


しいて言うなら12-200mm F3.5-6.3 の開放F5.9がわずかに白浮いていると言うか滲み始めてほんの少し甘い程度です。


100mm(35mm換算100mm)

焦点距離100mmですので先ほどの3本から12-60mm/F2.8-4.0が外れました。


比較


切り出しです。

比較


100mmくらいになってくると画質の差が明らかに開いてきます。

12-200mm F3.5-6.3は解像感が落ちて白んでコントラストも多少落ちています。


望遠端200mm(35mm換算400mm)

200mmの焦点距離のレンズはLEICA DG ELMARIT 200mm/F2.8 しか持ち合わせていませんでして、無慈悲にもそれとの比較になります。


比較


比較


やはり明らかに甘いです。

ただ、相手が単焦点レンズということもあって、比較するとむしろ健闘していると思えるほどですが。

しかしさすがLEICA DG ELMARIT 200mm/F2.8 は開放からすごい解像してますね。


ハイレゾモードで比較

思いのほか差がなかったのでちょっと意地悪に8000万画素相当のハイレゾモード*1で比較してみました。


25mm (35mm換算50mm)F5.6


ハイレゾ


おおよそ25mmの焦点距離に合わせF5.6で撮影したものを等倍で切り出し並べています。

(画像をフリッカーからフォトライフに貼り替えたため等倍では見れなくなりました。ご了承ください。)


比較


さすがに、差が歴然となっております。

12-200mm F3.5-6.3を単体で見ればこのトリミング倍率ですので十分とも思えるのですが…。他の2本のレンズがすごいのかハイレゾモードがすごいのか、めっちゃ解像しています。


100mm (35mm換算200mm)

超望遠域になるとハイレゾモードの精度もシビアになってきますので100mmでの比較にとどめておきました。


100mm


12-200mm F3.5-6.3 と 12-100mm F4.0 IS PRO 2本のレンズで、それぞれの絞り開放とF8を等倍切り出しで並べています。

比較


いやー、これはすごいですね。さすがに違いが出すぎました。

というか12-100mm F4.0 IS PRO 望遠端開放でこの解像具合って凄すぎません?


作例


12-200mm F3.5-6.3 の方はハイレゾモードで使用するのはあまり意味がないかなという感じです。


AFスピード

パナソニックボディで使う場合のAFスピードはどうなの?と言うお声も頂いておりましたが、スピード自体は快適です。望遠端(35mm換算400mm)でこのスピードですからね。大したものです。



ただ、G9 PROとの組み合わせにて2週間ばかしスナップで使ってきた手応えとしましては、望遠端でとっさにフォーカシングした時のヒット率があまりよくありません。

とっさのフォーカシングで合焦サインが出ているにも関わらず、AF-Cで連写全コマ外れていた時もありました。もしかしたらプリ連写モードだったのが条件としてよくなかったのかもしれません。

ちゃんと検証した内容ではありませんが、望遠端でのフォーカスは最初にしっかり合わせる必要がありそうです。

この辺りは他社レンズとの組み合わせだとパナソニック独自技術である空間認識(DFDテクノロジー)の精度がもろに出てそうですね。

あと、望遠端はF6.3と暗いので環境によってはどうしてもAFが迷いやすくなります。


総評

正直なところ100mm以降の望遠域では画質に過度な期待はできないというのが、2週間ばかし使ってきて思ったところでしたが、今回のテストでさらにはっきりしました。

特に望遠端付近においてコントラストが強い白いものなどが写るとハロと言うか白滲みが出やすい印象です。

ただ、逆に言うと広角〜標準域ではPROレンズにも劣らぬ描写(広角端の周辺減光においてはさらに優秀)を見せるので、35mm換算400mmの超望遠がこのサイズでおまけとしてついてくると思えば、全く悪くないです。


サギ


ただ、どちらがオススメかと聞かれれば M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO と答えるでしょうし、モノとしての質感まで含めると断然上かもしれません。


散歩や旅行の気軽なスナップで風景から鳥撮影などの超望遠域までを使うというなら、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3 は唯一無二のレンズではないでしょうか。

確かに望遠域の解像度は甘いですがピントさえ来ていればRAW現像である程度はカバーできますし。

LEICA DG ELMARIT 200mm/F2.8 のように描写だけで酒が飲めるまではいきませんが、同じ焦点距離を普段から持ち歩けるという価値は確かにあると感じました。


ほんと、旅行でこそこの12-200mm F3.5-6.3が大活躍するなと思いました。

ゴールデンウィーク10連休に向けて、ぜひ一本どうぞどうそ。


んー、どっか行きたいなぁー(笑)


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*1:センサーをずらしながら計8回撮影し、高解像画像を生成するモード。オリンパスでいうハイレゾショット