超高倍率ズームレンズ
「便利だけども画質はイマイチなんでしょ?」筆者もずっとそう思ってきました。
ただ、2017年マイクロフォーサーズへの移行と同時に手にしたM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROは見事その概念を覆してくれました。
フルサイズ35mm換算にて24mmから200mmまでどの、焦点距離でもキレの良い描写と解像感を見せてくれる、まさに夢のような便利ズーム。人をダメにするレンズなどと言われることもあったり。まあ確かにそう感じます😅
そのED 12-100mm F4.0 IS PROはどこへ行くにもとりあえずこれさえあればまず安心で、常にカメラバッグに入っていると言ってもいいほどの稼働率です。
なのになぜさらに M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3を買ったのかというと、望遠端がさらに200mm伸びた400mm(35mm換算)を常に持ち歩けるということで自分がどんな体験ができて何が起こるか想像できなかったからです。
なんか大げさな気もしますが、頭で考える以上の体験ができるような気がしませんか?
所有して使ってみないとわからないことがあるような気がして、そんな思いを巡らせていたら発売前にポチっていました。
外観
外観はいつものオリンパスの標準的なズームレンズ。
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 Rなどと同じようにズームリングには格子状のローレットを模した仕上がりとなっております。
見た目の高級感はなかなか良いものです。
見た目は良いが手触りは普通
見た目は高級感があって良いのですが、触ると普通にプラスチックなのもオリンパス梅レンズの流れを受け継いでいます。
とはいえ軽量化に割り振っていると思えば十分納得できます。
めっちゃ軽い
このレンズなんと455g。たったの。
16.6倍ズームレンズ、35mm換算24-400mmがですよ?
ほんとマイクロフォーサーズの恐ろしいところでもあります。
常に付けっ放しや、カバンに入れっ放しでも大した気にならない重さです。
意外と防塵防滴
このレンズなんと防塵防滴なのです。びっくり。
もちろんその性能を発揮するにはオリンパスの防塵防滴ボディが必要なのですが、このレンズの強靱さを推する上では完全に殺し文句となります。
プラボディで軽くて超高倍率なのに防塵防滴。いやぁすごいですね。
ズームリングの動きがイマイチ
これは残念ポイントですが、ズームリングの150mm付近で引っ掛かりがあります。
150mm付近で抵抗があり、そこを超えるとすこっと200mmまで回る感じです。
個体差かと思いましたが、割とこの報告をちらほら見るので、廉価クラスの宿命ということでしょうか。
まあ、静止画だと実用上さほど問題とはいえ残念ですね。
もしかしたら、もう少し使っているうちにあたりが滑らかになるかもしれません。
鏡筒の伸び具合
超高倍率ズームということで、それなりにかなり伸びます。
フードはロック解除ボタンなし
フードはロック解除ボタンのない普通のバヨネット式です。
使い込んでいくうちに緩くなるものが多いのでロック解除ボタンが欲しかったです。
フィルター径は72φ
フィルター系は72mmです。
オリンパスだと ED 12-100mm F4.0 IS PROやED 40-150mm F2.8 PROと同サイズです。
個人的にはフィルターを買い揃える必要がなく助かります。
あれ?フィルター径に合わせてレンズを買い揃えているような…😅
驚異の高倍率
やはりこれでしょう。
400mmなんて普通なら気合い入れないと持って行かないレンズ焦点距離ですからね。しかも鳥とか動物とか被写体も決まってくるじゃないですか。特別なんですよね。
それでこのレンズで鳥を撮っていて、ふと良い景色が見えたとしても「あー今日これしか持ってきてないや」と諦めちゃうんですよ。
いやいや、24mmの広角まで撮影できるよ???って思うと思いますが、今までの経験から諦めちゃうんです。もう判断力がスペックについていけないんです😅
逆も然り、このレンズで風景をスナップしてて鳥がいても諦めちゃうんです(笑)撮れるのに!
まあ、それほどに今まで経験してきたレンズにおける焦点距離感覚から逸脱してるということか、筆者の物覚えが悪いかどっちかなんでしょう。
まああと一ヶ月も使えば慣れると思いますが…そのくらい24mmと400mm(35mm換算)が同時に使えるというのが新感覚ということだと思います。
そういうこともありつつ、その体験値は16.6倍ズームというスペック数値以上に驚きの連続でした。
これ一本で上の写真のような切り取りができるわけですからね。そりゃ世界が変わります。
描写やらその他性能
作例で使用するカメラボディはパナソニックLUMIX G9 PRO(DC-G9)です。
オリンパスボディと合わせたいところですが、E-M1 markIIは泣く泣く手放してしまいましたので…
とりあえず一週間ほど近所の散歩にて使ってみました。
正直なところ、普通に良いです。下手したらM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROと大差ないのかもしれません。
望遠側開放で少し甘いと感じるシーンはありますが、いやいやまあ十分ではないでしょうか。
ED 12-100mm F4.0 IS PROとの比較は後日じっくりやりたいですが、これだけ写れば十分だろうという描写を見せてくれます。
やはり暗い
望遠端になるとF6.3とよくある廉価高倍率ズームの明るさになるのですが、広角端ではF3.5とそこそこの明るさになります。
ただし、あっという間の45mm付近でF5.5に達してしまうので、室内で動く子供を撮ったりするならなるべく広角側を使いたいところです。
ちなみに25mmでF4.7、45mmでF5.5、70mmでF6.1、100mmでF6.2と変化していきます。
鳥の飛翔シーンなどシャッタースピードを1/1000秒以上に早くした時、屋外でも曇天や日陰だとISO感度を1600以上に上げざるを得ない場面が多々ありました。
なお鳥の飛翔シーンはまともに撮れませんでしたので作例はありません😂
めちゃくちゃ寄れる
このレンズめちゃくちゃ寄れます。
広角端でどのくらい寄れるかというここんな感じ。
フード先端よりも寄れるのでフードは外して。
ふすまが邪魔ですみません😅
マクロレンズかよ!っと突っ込みたくなりますが、カタログスペック的には最大撮影倍率(35mm判換算)広角端で0.20倍相当、望遠端で 0.46倍相当となっております。
ちなみにこれが望遠端での最短撮影。400mm(35mm換算)がテーブル上で使えるとか(笑)
広角端の方が大きくないですか?35mm判換算0.20倍よりもかなり大きく写すことができます。ボディがパナソニックだから?🤔
まあしかし、マイクロフォーサーズレンズ、特にオリンパスのレンズは寄れるものが多いですね。寄れるレンズは楽しいです。
玉ねぎボケ
高倍率ズームということで玉ねぎ(年輪)ボケはどうだろう?と思いましたが、案の定見事な玉ねぎとなりました。
ま、これは ED 12-100mm F4.0 IS PROも同じくらいの模様が出ますし、高倍率ズームレンズの宿命といったところでしょうか。
ウニと逆光
ちょっと意地悪なテストをしましたがゴースト・フレアは最小限でフリンジも目立たず非常に良好です。
最小絞りF22でのウニ(光芒・光条)は端正な末広がりタイプとなっております。
目立つフリンジが出ないのはさすが現代のレンズ。素晴らしい補正具合です。マイクロフォーサーズの場合どこまでが光学的なレンズ自身の実力かわかりませんが、知らなければ幸せです(笑)
周辺減光
これもきちんとテストしたわけではありませんが、自分が使用してるシーンでは望遠側開放での周辺減光が多少気になりました。
AF
追従性能までは検証しきれていませんが、広角から100mmくらいまではコントラストAFのパナソニックLUMIX G9 PROとの組み合わせでも ほとんど遅さは感じません。十分早いです。
望遠付近になると被写体によってはちょっと迷うシーンがあるかなという感じですが、35mm換算400mmですからね。
もうちょっと使い込んでからきちんとレビューしたいと思います。
総評
望遠開放の甘さが少し気になるものの、カバーする焦点距離や重量、価格などを考えるとトータルではなかなか良い描写性能ではないでしょうか。
日常的に24mmから400mm(35mm換算)を持って歩けるというのはやはり撮れるものが変わってきます。
まだ一週間で近所のスナップばかりということで、広角側を使うことがあまりなかったですし、前記のように24mmを撮れることを忘れてしまっていました(笑)
これに慣れて端から端まで頭を切り替えて使いこなせば、ほんとさらに人をダメにするんじゃないかなという気がします。
しかし日常で400mmが使えるって、そればっかり使っちゃいますね😅今のことろ。いつでもどこでも圧縮です。
次回は ED 12-100mm F4.0 IS PROとがっつり比較してみたいと思います。
天気良くならないかなぁー
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4 IS PROとの比較記事
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4 IS PROと比較検証してみました。