マイクロフォーサーズ 25mm単焦点レンズ 頂上決戦という事で、M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROとLEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH.の比較をしました。
その結果はM.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROの圧勝でした。 いやー、ほんと素晴らしいレンズです。
そうしたら、「LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7 ASPH.の25mm域と比較したらどうですか?」とコメントをいただきました。
LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7 といえば、世界初のF1.7通しの超大口径ズームレンズです。F1.7なのにズームなんですよ。ズームですよ(強調)
なるほどなるほど、それは自分も気になるところですので、早速比較テストをしてみました。
スペック
取り急ぎ各レンズのスペックを簡単に表にしてまとめてみました。
一応LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH.も載せておきます。
M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO |
LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH. |
LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7 ASPH. | |
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レンズ構成 | 14群19枚(スーパーEDレンズ 1枚、EDレンズ 2枚、E-HRレンズ 1枚、HRレンズ 3枚、非球面レンズ 1枚) | 7群9枚(非球面:2枚、UHR:1枚、ナノサーフェスコーティング:1面) | 12群17枚(非球面レンズ3枚、EDレンズ4枚、UHRレンズ1枚) |
開放絞り | F1.2 | F1.4 | F1.7 |
最小絞り | F16 | F16 | F16 |
絞り羽根 | 9枚 円形絞り | 7枚羽根 円形虹彩絞り | 9枚羽根 円形虹彩絞り |
最短撮影距離 | 0.3m | 0.3m | 0.28m |
最大撮影倍率 | 0.11倍 | 0.11倍 | 0.14倍 |
フィルター径 | 62mm | 46mm | 77mm |
外形寸法 | 70 x 87mm | 63mm×54.5mm | 87.6mm×128mm |
重さ | 410g | 200g | 690g |
新品価格 | 13万7千円 | 5万5,240円(2型) | 18万8,450円 |
細かいことはさておき、大きさ重さ価格が見事に分かれた3本となっております。
スナップでの比較
いずれのレンズも開放で撮影。
RAWをLightroomにて無設定AdobeカラーのままJPEGに書き出しました。
M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH.
LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7 ASPH.
最初の被写体のソテツ。LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7 ASPH.のコントラストと明瞭感にグッときてしまいました。 色のりも良く見事な立体感で、ソテツが迫ってくるような力強さを感じます。
M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROは比べると少々淡い色のりながら、ボケのとろけるような柔らかさが素晴らしいです。 ぜひポートレートに使いたい描写ですね。
LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH.も色のりはやはりパナライカ。10-25mmF1.7に近いです。ただシャープさやコントラストは少し及びません。
M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH.
LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7 ASPH.
合焦面は下部中央少し左のナンテンの実ですが、やはりLEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7のシャープさが際立っています。キリッと浮かび上がり、色のりも良いです。
この作例だとどのレンズも玉ボケはきれいです。
M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH.
LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7 ASPH.
M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROのボケの描写はやはり素晴らしいですね。とろっとろです。
ボケのM.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO、シャープで高コントラストのLEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7といったところでしょうか。
比べればちょっと甘いですがLEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4も、全然悪くない描写です。
遠景解像力比較
LUMIX G9 PRO のハイレゾモードで撮影した8000万画素相当のRAWをそのままJPEGに書き出しました。
ハイレゾですのでかなりシビアなテストとなっております。
それぞれトリミングしたものを等倍で並べています。
全体
中央部
周辺部(右上)
まあ、なんということでしょう!
ズームレンズであるLEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7 ASPH.が単焦点レンズを差し置いて開放から隅々までとてもシャープでコントラストの高い描写となりました。
前回のテストでM.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROすごい!と思ったんですが、それよりもさらにすごかったです。
ほんと恐ろしいズームレンズです。
M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROはあくまでボケの描写を重視した設計ですので開放からのシャープさを競うのには向いていなかったかもしれません。
中央部はF2.8で各レンズともシャープになります。
周辺ではLEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 がF5.6くらいでようやくシャープになる感じでしょうか、ただしF8でもLEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7 の開放と同等の程度にしかなりません。
M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROの周辺は F4くらいまで少し甘さがあるかなという感じです。(あくまでハイレゾで撮ったシビアなテストです)
LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7はほんと、開放でもビシッとシャープですね。周辺減光こそありますが、素晴らしい描写です。ハイレゾのシビアなテストをものともしませんでした。
まとめ
ズームレンズが流石に単焦点レンズを超えることはないだろうとタカをくくってましたが、見事に裏切られました。
パナソニックが言う「単焦点レンズ5本分」と言うのは間違ってないどころか、それ以上の価値があると言っても過言ではなさそうです。いやーほんとすごい。
かたや、M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROも決して悪いわけではありません。LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7が凄すぎただけです。 F1.2のやわからでとろけるようなボケは、マイクロフォーサーズではとても貴重な存在です。 ポートレート撮影などではとても重宝するでしょう。
LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 は少し厳しい戦いとなってしまいました。 ただし、色気のある描写はさすがパナライカ。価格とサイズを考えれば十分選択肢に上がると思います。 スナップなら十分開放から使える描写ですし、風景などでどうせ絞るのなら大きな弱点とはならないかと思います。
LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7の解像には圧倒されてしまいましたが、それぞれ個性があり、それぞれ使い手のあるレンズだと思いました。