マイクロフォーサーズのオリンパス製レンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ をお借りすることができたので、試し撮りを兼ねM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO と比較してみました。
実売の価格差が10万円以上なので、さすがにちょっと酷かなぁとか思いましたが容赦しませんw
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ
このレンズは OM-D E-M10 markII などオリンパスのレンズキットなどについてくるレンズの一つで、パンケーキサイズなのにズームでしかも電動ズームという仕様です。
35mm換算 28mm〜84mmという非常に実用的な3倍標準ズームです。
なんとその重さはわずか 93g
何と言っても、めっちゃ軽くてコンパクトです。
E-M1 markIIに装着して手に持ちながら歩いていると、レンズが付いていないんじゃないかと思って時々目視で確認してしまいます(笑)
今日はコンデジ! pic.twitter.com/NkiNB2eqT4
— toshiboo (@toshiboo) 2018年5月29日
ボディはフラッグシップなのに、完全にコンデジになりました。
下手なコンデジより軽くて小さいくらいです。
質感も上々
レンズは見た目も大切ということなんですが、このレンズ見た目もなかなか良いです。 いかにもオリンパスらしくズームリングのローレットが凝った作りになっています。
プラスチック製ではありますが、たまりませんね。キットレンズなのに。
意外としっかりしていて、マウントは金属製です。
ちなみに、ブラックとシルバーの2色展開となっております。
シルバーがまた良い感じです。
電動ズーム
このレンズは、電動ズームとなっており、ボディの電源ONと同時に鏡筒が繰り出してスタンバイ状態となります。
パナソニックのキットレンズ LUMIX G VARIO 12-32mm/F3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S.も格納式でしたが、あちらは手動でレンズを回して電源とは連動しないため、撮影開始までレンズを繰り出させて電源を入れるという2アクション必要でした。
このオリンパスの方が1アクションで済みスムーズです。
ズーミングももちろん電動でスムーズに動きます。
動画には良いのでしょうが、スチル撮影の場合はどうしてもワンテンポ遅れる部分が気になるかもしれません。
AFスピード
スナップで使った程度ですが、12-100mm F4 IS PROとの差はあまり感じません。
合焦直前、極わずかにピントが前後に動く動作が比べれば長い気もしますが、十分早い部類だと思います。
スナップ程度でしたら全くストレスなく撮影できます。
暗所や動体の撮影については、また機会がありましたら試してみたいと思います。
実写比較
12-100mm F4 IS PROと比較してみようと思います。
JPEGナチュラル設定の撮って出しです。
ワイド端とテレ端で開放からF8までを撮影しました。
ワイド端
多少12-100の方は画角がずれてしまっていてすみません。
こうやって縮小して引きで見ている分には、発色傾向も同じで大きな差がありません。
F4くらいまでは、キットレンズの周辺減光が少し多いかな?くらいでしょうか。
中央部を等倍で並べてみる
さすがに等倍でみると、中央部とはいえ解像度の違いがわかります。
12-100mmはさすがですね。開放F4からバシッとしています。
キットレンズは特に葉脈が描写しきれていない感じです。
周辺部(中央右端)を並べてみる
こちらはF4のみの比較にしましたが、キットレンズを絞っても12-100mmの開放にも届きませんでした。
キットレンズの方は合焦面がわからないくらいボケてしまっています。
テレ端
こちらも先ほど同様、引きで見てもあまり違いは感じません。
中央部を並べてみる
等倍で並べてみると、さすがに解像に差が見れました。
やはり、葉脈の描写で差がわかりやすいと思います。
ボケを比較する
この手のスナップレンズで一番気になるのは、ボケの描写ですよね。
もともとマイクロフォーサーズで明るくないレンズということでボケにくいです。
なのでボケがザワつきやすいのですが、それでも綺麗なボケを描いてほしいものです。
ちょっと不均等で偏ったボケが見られます。
二線ボケというか、こういった光源に近い丸いボケは年輪ボケにもなりやすいです。
小さいボケだとさらにザワつきやすいので、被写体にぐっと寄ってボケを大きくすることを心がけてカバーしたいですね。
フリンジ等の色収差はよく抑えられている
フリンジや滲みなどはよく抑えられています。
どこまで電子的な補正が効いているかわかりませんが、出るレンズは出るので、素性も良いのでしょう。
意地悪な、ド逆光で撮ってみましたが、優秀です。
白い被写体のふちが滲むこともほとんどありませんでした。
総評
キットレンズでしかもパンケーキズームということで、かなりの制約があると思います。
ただ予想よりかは、はるかに良好な結果でした。
開放での解像感はさすがに劣りますが、一段絞ればそこそこ十分かなという感じです。
周辺は少し流れが目立ちやすいです。
ただ、フルサイズなら巨大な高級レンズですら、これくらい当たり前なくらい周辺画質が劣化するレンズも多いので、逆に言えばマイクロフォーサーズだからパンケーキズームなのにこの流れで収まったと考えるべきでしょうか。
さすがに、集合写真や風景写真でこのレンズをわざわざ選ぶ理由はありませんが、スナップで撮る分には十分な周辺画質だと思います。
ボケのざわつきやすさも少し気になります。
とか言っても、今回の比較対象がPROレンズですからね(^^;
せめてこれくらいの差がないと、PROレンズの顔が立たないでしょう(笑)
何と言っても、この軽さですよね。
これこそ、このレンズを選ぶべき最大の理由です。
E-M1 markIIにこのレンズをつけて歩いていると、優秀なグリップも相まり、右手と一体化している気分になります。
スナップ用途で考えて一つ残念な点は、電動ズームのテンポの悪さでしょうか。
めっちゃ安いので買ってもいい
正直この軽さで3倍ズームで見た目も良いすから、欲しいですよね。
旅先でスナップ歩きするには最適なんじゃないでしょうか。
12-100mmF4はめっちゃ便利で画質も最高なのですが、ずっと手に握って歩くにはちょっとだけ重たいんですよね。
本当、手振れ補正も鬼効いてめっちゃ便利なんですが。
個人的には手に握りっぱなしで歩きたいので、軽くていいなーと思いました。
で、価格コムで調べたら中古価格2万円切るじゃないですか!!
"タダのようなもの"の価格帯ではないですか!
ってか新品もほとんど同じ値段ですね。
旅行用多機能ボディキャップレンズとして欲しくなりました(笑)
マイクロフォーサーズレンズは優秀だ
先ほども書きましたが、パンケーキズームでここまでの画質が出せるのもマイクロフォーサーズならではかなぁと思います。
正直なところ、試し撮りするまでは、周辺は見てられないくらい流れて、パープルフリンジ祭りになるかと思っていましたが、結果、引きで見ればPROレンズとの差はほとんど感じられず、非常に優秀です。
フルサイズだと、自分が今使っているシグマのズームなんかでも、四隅はこれ以上どころじゃなく流れますし、パープルフリンジは超出まくります。
レンズのみでも重量はこのキットレンズ14-42mmの10倍近いんですが😅
こんな安いコンパクトなレンズでそこそこの描写が出せるのも、マイクロフォーサーズの特権だなぁとつくづく思います。
逆に言うと、安いレンズでも描写が良いレンズが多いので、高いレンズとの画質面での差別化がしにくいんじゃないかなという気もします。
だからか、PROレンズは鏡筒にめっちゃコストがかかってて高級感溢れているんですかね〜。
次回予告
次回は、同じくダブルズームキットの望遠レンズ 40-150mm F4-5.6と 40-150mm F2.8 PROを比較してみたいと思います! 結構意外な結果かも?!
書きました!