キヤノンAPS-C、フルサイズと10年以上使ってきて、そしてマイクロフォーサーズ機であるオリンパスOM-D E-M1 markIIに2017年3月に完全移行しました。その後サブ機としてパナソニックのLumix GX7 markIIを導入しマイクロフォーサーズ一色となりました。
そして2018年3月、センサー性能とコストパフォーマンスを重視して、Nikon D800Eを中古ながら購入しました。今回はE-M1 markIIを手放さずに、追加という形をとりました。
約4か月ほど併用しているわけですけど、なんだかんだ圧倒的にE-M1 markIIとGX7 markIIの方が持ち出し頻度が高いのでその理由を考えてみました。
- 歩留まりの高さ
- (追記:最新機種 LUMIX GH6、OM-1などもバリアングル。フルサイズ機もソニーα7 IVなどバリアングル搭載が増えてきましたね)
- シャッター音
- シャッタースピード
- 軽量コンパクト
- グリップの良さ
- センサーにゴミがつかない
- データハンドリングの良さ
- とはいえD800Eの良さも捨てがたい
- まとめ
歩留まりの高さ
写真に歩留まり*1という言葉を使うのもなんなんですが、撮影してまあまあ良いかなと思う写真が撮れている確率はE-M1 markIIやGX7 markIIのマイクロフォーサーズの方が高いです。
手ぶれ補正
自分は病気もあり少し体のバランスが取りにくいのですが、こんな自分でも手持ちで1秒なんてシャッタースピードで当たり前に撮れてしまうのがE-M1 markIIのすごいところです。GX7 markIIもそこまではいきませんがかなり手ぶれ補正がききます。
D800Eには現在SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSMという手ぶれ補正付きのレンズをつけていますが、E-M1 markIIと比較すると付いていないも同然に感じてしまいます。
それに加え良いのか悪いのかD800Eの高画素センサーが微細な手ぶれもちゃんと記録してくれるので、かなりシビアになってしまいます。
じゃあ三脚使えよって話で、おっしゃる通りなんですが、三脚使わない撮影の方が楽しいんですよね。
もちろん星の撮影や長秒露光や風景で構図決めてタイミング待ってる時なんかは三脚使いますし、それはそれでめっちゃ楽しいです。
ただ散策してスナップを撮るといった、偶発的に感受性を刺激するような撮影が好きなので、ちょっとした渓流なんかで三脚持って行ったとしてもほとんど使わないで帰ることが多いです。
そんな時やはり手ぶれ補正が強力であるととても助かります。
バリアングル液晶 (E-M1 markII、G9 PRO、GH5など)
これについてはもちろん搭載機種に限った話となりますが、マイクロフォーサーズですと、オリンパス OM-D E-M1 markII、E-M5 markII、E-M1X、PEN-F、パナソニックLUMIX G9 PRO、GH5、GH5S、G8、G99などにバリアングル液晶が搭載されています。
(追記:最新機種 LUMIX GH6、OM-1などもバリアングル。フルサイズ機もソニーα7 IVなどバリアングル搭載が増えてきましたね)
手ぶれ補正に加えてこれですね。
D800EならGITZOシステマチック5型6段ジャイアントと脚立でも持っていかないと撮れないようなハイアングルも、カメラを片手で持ちあげての爪先立ちでも撮れてしまいます。あれ、5型6段ジャイアントって3mくらいあるんでしたっけ?さすがにそれはジャンプしないと無理ですねw(当方 190cm)
とまあ、それは極端にしても、そんな巨大三脚がないと撮ろうとも思えない構図や、逆に水たまりすれすれのローアングルなんかでも躊躇せず服も汚さず腰も痛めず撮影することができます。
単純に、構図のアイデアの選択肢が広がるので、楽しさもその分広がりますよ。
被写界深度の深さ
そして、同じF値と画角で撮ってもフルサイズより被写界深度が深いんです。 フルサイズだとF16でも思ったほどパンフォーカスになってないことが多々あり、特にD800Eのような高画素機だと等倍表示した時に気になってしまいます。
ちょっとややこしい話にはなりますが、D800Eにて24mm F16で撮影した場合、過焦点距離*2は1.3m程度になるはずですが、意外とパンフォーカスになっていないことが多々あります。
もちろん厳密にピント位置までの距離を測ったわけでもないですし、過焦点距離に関係する許容錯乱円*3等その他の要因があるかもしれません。
過焦点距離がわかるアプリ
ちなみにこんなアプリを使うと登録されている機種(E-M1 markIIもD800Eもありました)の許容錯乱円を設定でき、それぞれの焦点距離とF値での過焦点距離がわかります。
まあ便利ですし参考になるし、120円なんで買っちゃえばいいと思います。
話はもどって、とはいえそれ以上絞ると回折現象により画像が甘くなっていきますし、何よりシャッタースピードが遅くなり状況によっては手持ち撮影が厳しくなってきてISO感度を上げざるをえません。
すると広角ならF8でもほぼパンフォーカスになるマイクロフォーサーズは俄然有利です。
E-M1 markIIにて12mm F8だと先ほどのD800Eの時とほぼ同じ過焦点距離のはずですが、E-M1 markIIの方が歩留まりが良いですね。
まあ、それほどD800Eの描写が繊細なのかもしれません。
超広角ならF4.5でもパンフォーカス。
パンフォーカスだったら、コンデジでもスマホでも?なんて言われそうですが、マイクロフォーサーズなら十分ぼかす表現もできるのです。
さすがに同じ距離でフルサイズ機の400mmF2.8のような描写はできませんが、LEICA DG NOCTICRON 42.5mm/F1.2 のような大口径レンズも多数あるので、ポートレートでも十分なボケの表現ができます。
周辺部の画質
もちろん使うレンズによるのですが、周辺部の画質は概ねマイクロフォーサーズが良いです。
自分がD800Eの方で使っているSIGMA 24-105mm F4 DG OS HSMが割と中央番長なことろもあるので余計そう思うのかもしれません。
ただマイクロフォーサーズのレンズはPROレンズはもちろん、安価なものでも周辺まできっちり描写してくれます。
やっぱり隅まできっちり写っている方が気持ち良いです。
シャッター音
D800Eは特にシャッター音がうるさいんですよね😅めっちゃ豪快な音がします。
ミラーレスでローリングシャッター*4が気にならないシーンでは積極的に無音シャッター(電子シャッター)を使っているので、特にうるさく感じてしまいます。
田舎なんで街中も大した人は歩いていないのですが、それだけにシャッター音が響き余計注目を浴びてしまいます。スナップで使うには少し気を使います。
ポートレートなんかだとシャッター音が大きい方が、モデルさんとのリズムを取りやすくていいかもしれませんけどね。
好みの問題が大きいでしょうが、自分は静音なり無音の方が嬉しいですね。
シャッタースピード
これも電子シャッターにまつわることですが、E-M1 markIIなら最高1/32000秒でシャッターを切ることができます。
日中大口径レンズで開放値を使う場合でもNDフィルターがほとんど必要ありません。
過去撮影したデータを見ても、結構1/8000秒より高速に撮っている写真も多いので、かなり助けられています。そりゃ絞ればいいんですが、せっかくの大口径レンズ。開放で撮りたいじゃないですか。
エントリー機でもミラーレスカメラだと電子シャッター1/16000秒まで対応しているものも多いです。
エントリー一眼レフだとメカシャッターは1/4000までがほとんどです。
ミラーレスカメラで大口径レンズを使い始めた時、意外と電子シャッターが役に立つと思います。
軽量コンパクト
これは、使うまで大したメリットに感じていませんでしたが使ってみると素晴らしいですね。
M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO のテレコン合わせて換算840mmが普段使いのカメラバッグにすっぽり入って、さらに大三元ズームとか簡単に入りますからね。
ちゃんとカメラを使っている感がある大きさを保ちつつ、しっかりコンパクトになっていて良いです。
オリンパスのPROレンズシリーズなんかは、そのカメラを使っている感を持たせるために、わざと大きく重たく作っている気もしますね。それで丁度良いくらいかな。
単純に持っていけるレンズの本数も増え、持ち出し回数も増えるので、非常に良いメリットだとつくづく感じました。
グリップの良さ
E-M1 markIIのグリップは非常に良くできていて、とても握り心地が良いです。
自分の手はかなり大きい方ですが、D800Eよりも断然握りやすい。 よく小さいカメラは小指が余って握りにくい…とか言いますが、D800Eでも余ります。
縦位置グリップでさらに握りやすい
それとNikonのカメラ全部なのかD800Eが変わっているのかわかりませんが、グリップがとても浅くて心許なく、上部が不自然に外側に飛び出ているので、手のあたりがイマイチです。あまり握って撮るカメラじゃないのかなぁなんて感じています。
まあ、自分の手が特殊で、多くの標準的日本人の手にはD800Eのグリップも悪いものではないと思いますが。
その比較は別にしても、E-M1 markIIのグリップは厚みはほどほどで深さがあるという非常に安心感のある形状になっています。
とても気持ちよく、指がかかります。
センサーにゴミがつかない
これびっくりしますよ。
マイクロフォーサーズは本当に驚くくらいゴミがつきません。
D800Eなんて交換する機会もレンズもほとんどないのにソッコーでゴミがつきます。 ゴミ取り機構が付いているにもかかわらず!
E-M1 markIIなんかその辺に放置しながらとか、風吹く中とか適当にレンズ交換してもゴミが付いたことがありません。
掃除すればいいんですし、修正ブラシで消してしまえばいいんですけど、写ってるとテンション下がりますよね…
D800Eはペンタ棒で取れないゴミが付いたのでこれを使ってなんとか取りました。
データハンドリングの良さ
データなんて付けちゃうと若干意味合いが違う気もしますが、要は画像データが軽くて扱いやすく処理が軽いということです。
E-M1 markIIは2037万画素と程よい画素数となっております。 ぶっちゃけGX7 markIIの1600万画素でも何にも困らないのですが、ちょっとトリミング耐性が高くて助かるシーンも多々あります。
そしてRAWファイルも12bit(ロスレス圧縮)ということもあり、ファイルサイズも20MB以下がほとんどです。 一方3630万画素のD800Eは14bit(ロスレス圧縮)ということもありおおよそ50MBにもなります。
D800Eは12bitも圧縮RAWも選べて、それを設定すれば30MBくらいにはなるのですが、せっかく撮れるなら少しでも良い画質で記録したいじゃないですか。
容量も食うので辛いのですが、それよりもLightroomの処理スピードが全然違うので、さらに辛いです。
今度D800Eの12bitRAWも試してみようかな。これで処理が早くなるといいんだけど。
とはいえD800Eの良さも捨てがたい
じゃあ、D800Eはさっさと防湿庫に預けて*5しまえよ!とお叱りを受けそうですが、やはりD800Eにも手放せないほど良いところがあります。
繊細な画質
ビシッと隅までカリカリシャープなオリンパスの描写ですが、それゆえちょっと線が太い。 プリント目的なら見栄えは良いと思うのですが、等倍表示した時にちょっと目に付きすぎてしまう。
やはりそこはD800Eのフルサイズ高画質高画素センサーに分があります。 等倍で見てもシャープながら繊細な表現ができています。
編集耐性の強さ
やはりフルサイズで14bitRAWだからでしょうか。Lightroomで彩度やトーンカーブを激しくいじっても、結構破綻せずに粘ってくれます。
E-M1 markIIも必要十分なんですが、めちゃくちゃな無茶するときはじっと慎重に画面とにらめっこなんですよね。
まあ、そこまでいじる必要がある写真を撮ってるのが、そもそもどうかというとこですが。いじれるに越したことはありません。 しかも3630万画素ということもあって、非常にトリミング耐性が高いです。
まとめ
という感じで、自分がフルサイズ機とマイクロフォーサーズ機の両方を持っていながら、マイクロフォーサーズの使用頻度が多い理由を書いてみました。
もちろんAFや連写速度などの性能差によって持ち出しを決める時は必然的にE-M1 markIIになります。
両方持って行ってもE-M1 markIIばかり使っていたなんてことが多いのはこんな理由だと自分でも納得しました。
改めてE-M1 markIIというかマイクロフォーサーズのバランスの良さを感じます。
ただ、D800E、当たるとやっぱりすごいんですよね。
まだまだそのポテンシャルを全然引き出せていないので、もっともっとD800Eも使ってやろうと思います。
SIGMA24-105F4とD800Eの組み合わせで、周辺の画質と色収差にちょこっと不満があるんだけど…
— toshiboo☀ (@toshiboo) 2018年6月29日
そういえばこんなアンケート取ってた… G9 PRO…欲しい…
【追記】買っちゃいました😅
後継機のOM-D E-M1 markIIIが狙い目です!