iPhone 11 とiPhone 11 Proのカメラに搭載されている「ナイトモード」では、かなり暗いシチュエーションでも手持ちで明るく撮ることが可能です。
ナイトモード
残念ながら超広角(13mm)レンズ側のカメラではナイトモードが使用できません。
超広角(13mm)、広角(26mm)に加え望遠(52mm)をも搭載したiPhone 11 Proでは一見、望遠カメラ側でもナイトモードを使用できるように見えますが、EXIFを見ると実際に使われているカメラは真ん中の広角側でデジタルズームされた画像です。※焦点距離はいずれも35mm換算
このナイトモードは、暗いシーンにおいて自動でiPhoneが発動してくれます。
ナイトモードになると画面端に黄色いアイコンが表示され、(動きに反応して?)「動かさないように持ってください」と表示されます。
1〜3秒の撮影時間がかかるのですが、結構な手ブレが起きてても見事に補正してくれます。
黄色いアイコンをタップすると秒数が変更できます。
EXIF上はシャッタースピード1/8〜1/2秒程度となります。
動画的に連写撮影された一コマずつの位置を合わせながらコンポジット(合成)しているんでしょうかね。それが瞬時にできるとは素晴らしい。
ちょっと使ってみたら、この「ナイトモード」の画像がびっくりするくらいキレイで良くできているので、一眼ミラーレスカメラと比較してました。
G9 PRO+LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm/F1.7と比較
比較するのはいつものマイクロフォーサーズ機LUMIX G9 PROですが、レンズは先日購入したLEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm/F1.7 ASPH. を装着しました。20万円越えのレンズです。カメラと合わせると35万円くらいします。ひぇー。
手持ち撮影のため全く同じ構図ではありませんがiPhone 11 Pro、LUMIX G9 PRO(LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm/F1.7 ASPH. )の順で並べてみます。
両方とも三脚は使わず、手持ちの撮影となります。
G9 PROはRAWで撮影しそのままLightroom にてJPEGに出力しています。
比較作例
Apple iPhone 11 Pro iPhone 11 Pro back triple camera 4.25mm f/1.8 ƒ/1.8 4.2 mm 1/8 2500
Panasonic DC-G9 LEICA DG 10-25/F1.7 ƒ/1.7 12.0 mm 1/5 800
作例はこの後も続くのですが、ぶっちゃけG9 PRO的にはこの写真が一番健闘しているかもしれません😅
比較的画角全体に光量があり明暗差も少なかったので、安定した写真になりました。
iPhone 11 ProのほうはきっちりHDR*1がかかって空や奥の木まで明るく写っているのにも関わらずしっかり灯篭の模様も確認することができます。
EXIFを見るとISO感度は2500になっていますが、コンボジットの加算平均*2効果もあり非常にノイズレスになっています。なおかつディテールもしっかり残っています。いやー素晴らしい。
この時も手持ち2〜3秒の露光時間でそこそこ揺れていましたが、iPhoneがうまく処理してくれています。
G9 PROの方はわずか1/5秒のシャッタースピードですが、ブラケット連写撮影終盤だったこともあり微ブレを起こしてしまってます😅
Apple iPhone 11 Pro iPhone 11 Pro back triple camera 4.25mm f/1.8 ƒ/1.8 4.2 mm 1/8 800
Panasonic DC-G9 LEICA DG 10-25/F1.7 ƒ/1.7 14.0 mm 1/13 400
ナイトモードはかなりHDRが効いているにも関わらず、非常に自然に見えるのがとても良いと思います。
強いHDRって不自然に見えるものが多くてあまり好きじゃなかったんですが、これなら全然アリです。
【追記】 G9 PROの方は単純に露出不足なんじゃないかというご意見をいただきましたが、どの写真もギリギリハイライト部分を白飛びさせているくらいなので、これ以上露出をあげるとハイライト部分が完全に白飛びして真っ白けになってしまうんですよね…。以上追記でした。
Apple iPhone 11 Pro iPhone 11 Pro back triple camera 4.25mm f/1.8 ƒ/1.8 4.2 mm 1/8 1250
Panasonic DC-G9 LEICA DG 10-25/F1.7 ƒ/1.7 14.0 mm 1/13 800
LUMIX G9 PROだと手ブレ補正があるとはいえ、これほど暗いとシャッタースピードを稼ぐためにどうしても絞りを開ける必要があります。
すると被写界深度が浅いため、奥行きのある構図だと全体にピントを合わせることが難しく完全なパンフォーカスになりません。 絞り開放で撮れば甘くなる場合も多いです。
そうなると三脚を使うしか手がなくなってしまいます。
明暗差もこれほどあると、LUMIX G9 PROを含む普通のカメラでは明るい部分を白飛びさせても全くシャドウは暗いままです。
iPhoneのHDRの効果の大きさがよくわかります。
Apple iPhone 11 Pro iPhone 11 Pro back triple camera 4.25mm f/1.8 ƒ/1.8 4.2 mm 1/4 800
Panasonic DC-G9 LEICA DG 10-25/F1.7 ƒ/1.7 13.0 mm 0.4 200
Apple iPhone 11 Pro iPhone 11 Pro back triple camera 4.25mm f/1.8 ƒ/1.8 4.2 mm 1/4 1000
Panasonic DC-G9 LEICA DG 10-25/F1.7 ƒ/1.7 14.0 mm 0.5 200
望遠でのナイトモード
望遠側でもナイトモードが使えますが、前述の通り使用されるレンズは広角(26mm)で、デジタルズームとなります。
ちなみにiPhone 11 Proでは広角と望遠レンズに光学手ぶれ補正が搭載されています。それなら望遠レンズでもナイトモードが使えそうな気はしますがデジタルズームでも広角レンズ側のカメラの方がセンサーサイズとF値の明るさで画質のメリットが大きいんでしょうね。
Apple iPhone 11 Pro iPhone 11 Pro back triple camera 4.25mm f/1.8 ƒ/1.8 4.2 mm 1/4 200
Panasonic DC-G9 LEICA DG 10-25/F1.7 ƒ/1.7 25.0 mm 1/8 400
Apple iPhone 11 Pro iPhone 11 Pro back triple camera 4.25mm f/1.8 ƒ/1.8 4.2 mm 0.5 1000
Panasonic DC-G9 LEICA DG 10-25/F1.7 ƒ/1.7 25.0 mm 0.8 400
ISO感度が1000まで上がった建物の写真では流石にちょっと荒さが目立ちますが、ISO200で収まったお堀のリフレクションの写真では十分な画質が得られています。
ナイトモードになってないとき
ナイトモードになるかなと思いきやならないシーンも多々ありました。参考までに貼っておきます。
結構暗くても、意外とナイトモードにならず普通に撮影されます。
Apple iPhone 11 Pro iPhone 11 Pro back triple camera 4.25mm f/1.8 ƒ/1.8 4.2 mm 1/40 500
Panasonic DC-G9 LEICA DG 10-25/F1.7 ƒ/2.5 14.0 mm 1/4 200
Apple iPhone 11 Pro iPhone 11 Pro back triple camera 4.25mm f/1.8 ƒ/1.8 4.2 mm 1/30 800
Panasonic DC-G9 LEICA DG 10-25/F1.7 ƒ/2.5 13.0 mm 1/8 200
前回の検証で、超広角(13mm、センサーサイズ1/3.6型)レンズ側のカメラでISO感度が上がるとISO400程度でかなりディテールが潰れていました。
今回の広角(26mm)側のカメラではISO800でも十分な画質です。
1/3.6型と1/2.5型、わずかな違いに思えますが、センサーサイズの大きさが効いていますね。
LightroomのHDRで対抗
Apple iPhone 11 Pro iPhone 11 Pro back triple camera 4.25mm f/1.8 ƒ/1.8 4.2 mm 1/8 2500
一眼カメラによる通常の撮影では明暗差が大きい場合どうしても白飛びまたは黒つぶれしてしまうのでLightroomにてHDR合成しiPhoneに対抗してみました。 手持ちの露出ブラケットにて撮影し一番明るい画像と暗い画像の2枚を合成しました。
2枚の画像をHDR合成したもの
iPhoneよりもちょっとわざとらしいHDRになってしまいました。
ちなみにLUMIX G9 PRO本体にもHDR機能がありますが完全に忘れてました💦
インテリジェントオートモードで使えるらしいですが使ったことはありません…
合成元画像はこちら
Panasonic DC-G9 LEICA DG 10-25/F1.7 ƒ/1.7 13.0 mm 0.6 400
Panasonic DC-G9 LEICA DG 10-25/F1.7 ƒ/1.7 13.0 mm 1/100 400
まとめ
超広角でそのポテンシャルを遺憾なく発揮した iPhone 11 Proですが、 ナイトモードはさらなる実用性と美しさを感じさせてくれるものとなっています。
一眼カメラを抱えて手持ちでナイトスナップなんて言うと、多くの場合 F2以下などの明るいレンズを持っていく必要があります。
しかも広角大口径単焦点なんていうと結構高価なレンズになってしまいます。
大きさやコストのメリットもすごいのですが、何も考えずにこんなに綺麗な写真が撮れて、瞬時に処理されて保存されるってすごいもんだなと思います。
最大3秒間 ”適当に”ぶれないよう持っておくだけで、ノイズも消えて明るくシャープな写真が撮れてしまい、即SNSにUPできる。ポケットに入る夢のようなカメラです。
iPhoneをはじめとしたスマホだとセンサーサイズがとても小さいです。 そのため暗いシチュエーションではISO感度ノイズがひどく、それを消すためにディテールが潰れて使い物にならない。なんて常識は過去のものになってしまいました。
PCなどの大きなモニターで鑑賞する際はまだ一眼カメラのアドバンテージを感じますが、 この先もしiPhoneが1/1.7型や 1インチクラスのセンサーを手に入れたらと思うと恐ろしいですね😅
【追記】iPhone内でゴリゴリに加工されているHDR写真とRAWからの素の出力を比べるのはどうなんか?というご意見をいただいております。まさにその通りです。普段RAWでしか撮っていないのでG9 PROにHDRが搭載されていることすら知りませんでした😅
これから説明書を読み漁り、次回はG9 PROのインテリジェンスモードを駆使してiPhone 11 Proのナイトモードと比較してみたいと思います。
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