前回の日中の描写比較に続いて、今回は暗所性能の比較をしてみたいと思います。
センサーサイズの小さなマイクロフォーサーズは、物理的にどうしても高ISO感度は弱くなってしまうので、否が応でも気になるところです。
そしてやはり、自分のカメラがどのくらいのISO感度まで使えるのかを把握するとこは、重要なことだと思います。
特にE-M1 markIIもGX7 markIIも強力な手振れ補正を備えていますので、夜間でも手持ちで撮影可能ですが、ISO感度の限界を知っていれば、絞ってギリギリまで被写界深度を深くすることが可能です。
被写体の動きを止めるためシャッタースピードを早くすることも可能です。
撮影条件
室内にて、よくISO感度テストに出てきそうな素材のもの(笑)を並べてみました。
使用レンズ 12-100mm F4 IS PRO
絞り優先モード F8.0
最低感度から一段ずつISO感度を上げていきました。
RAWファイルをLightroomにて現像
両カメラでホワイトバランスが合わなかったため、スポイトにて自動調節したものをそれぞれのカメラずつ同期。あとは無変更のままJPEGにて書き出しました。
輝度ノイズ軽減も0のままです。
ノイズ量はJPEG撮影のものより多く残っている代わりディテールも残っています。
Photoshopにて自動配置読み込み。
この段階で画素数の多いE-M1 markIIは縮小されています。
それを等倍で切り出したものを整列しました。
全体の比較は両カメラを同じ範囲でトリミングし縮小しました。
全体を縮小
全体を縮小したものでの雑感としてはE-M1 markIIのISO12800でも、狙って撮るならアリかなというレベルでしょうか。6400だと意外と結構見れます。まあ縮小ですから。
そういう作風といえば、全然いけます。(それなら何でも言えるやん…)
両カメラのノイズ量の差は大きく、1.5~2段分くらいの差があります。
E-M1 markIIの 12800 と GX7markIIの3200を比べて少しGX7 markIIのノイズがすこし少なく感じます。
さすがE-M1 markII。画素数が多い分あまりノイズは変わらない?もしかして弱くなっている?!とも思っていたのですが、心配無用でした。
これがマイクロフォーサーズセンサーの一世代分の違いということでしょう。
左下部分クロップ
比較的明るい部分ですので、意外とE-M1 markIIのISO6400でもギリギリ使えそうな感じがします。今度は作品として。
これはノイズ除去未処理の状態なので、処理をすればノイズはもっと少なくできます。
ディテールを残す方向で弱めの処理でもこれくらいの明度あれば十分対応できそうです。
なので比較的明るい状況で、被写体の動きを止める必要がある場合、E-M1 markIIならISO6400まで上げられるという自己基準ができました。
全体縮小の比較よりもE-M1 markIIとGX7markIIの差は少なく1段分といったところでしょうか。
GX7 markIIは色ノイズのせいか、感度上昇とともにマゼンタ被りになっていく傾向があります。
右側部分クロップ
暗部でのノイズはさらに目立ってしまいます。
ここだけ見ているとISO25600はなぜこの設定があるのか不思議なくらいで、GX7markIIに至っては12800でも全く何が写っているのかわかりません。
E-M1 markIIの6400でようやくぬいぐるみの毛の質感が戻ってきて、3200で見れるかなというくらいでしょうか。1600だと、あら綺麗と言う感じがします。
GX7 markIIはやはり、さらに一段分下げないと同じような質感が戻ってきません。
以前のE-M1 markIIでの検証記事
前回感じた印象よりも一段分良く感じます。
当然、被写体も撮影条件も違うので、違うのは当たり前ですが、おおむねISO1600が1つのボーダーラインかなと思いました。
以前のGX7markIIでの検証記事
自分の限界ISO感度は
条件が違うせいなのか、自分がマイクロフォーサーズのノイズに慣れたのかwわかりませんがE-M1 markIIならISO1600までは使っていこうかなと思いました。
確か前回は、800とか言ってたかな。
その代わり、あくまでそれが常用限界点であり3200は超非常時だけにしようと思います。
ただ、ある程度の明るさがあって、被写体の動きを止める場合はISO6400も使用範囲に入ってきます。 当然ノイズを生かした作風になりますが(笑)
GX7markIIについては、ISO800までを常用範囲にしたいと思います。これは前回の検証の感想と同じですね。
というのも、あくまでノイズレスが良しとされる場合の話であり、ライブハウス撮影などノイズよりも止めることが必要な場合は、E-M1 markIIのISO6400くらいはやはりガンガン使っていくことになると思います。
ライブハウスくらいの暗さだとかなりノイジーになりますが、自分はそもそもノイズには寛容的なので十分選択肢になります。
25mmF1.2を導入したので、1つ絞ってもそんなにISO感度上げなくて済むかな?!
まとめ
まだ、GX7markIIは暗所で使ったことがほとんどなかったのですが、予想以上にE-M1 markIIとの性能差があってびっくりしました。
新世代マイクロフォーサーズセンサーがいかに飛躍的によくなってるかがわかります。
常用範囲
E-M1 markII ISO 1600 まで
GX7 markII ISO 800 まで
ノイズを抑えた作品作りとしてはこれくらいが限度かなという感じです。
フルサイズでISO 12800を許していた自分としては、ちょっと寂しいなぁ(笑)
その時より目が肥えてる気がするけど。
もちろんノイズ覚悟で被写体の動きを止める場合はそれぞれ2段上までは使うと思います。
おまけ
フルサイズのISO12800に対抗するには?!
Canon 6Dを使ってた時に撮影したものです。
この写真は他の方が三脚で撮る中、ISO12800まで上げて手持ちで撮りました。
三脚嫌いなもので (^^;
撮影データは 37mm F4 1/45 iso12800です。
個人的にはそこそこ作品として鑑賞に堪えると思うのですが、等倍で見ればやはりノイズを消した分ディテールは飛んで行ってしまってます。
フルサイズとはいえ、これで12800ならたいしたもんだと思いますけどね。(もちろん自分じゃなくキヤノンがw)
これをE-M1 markIIで撮影したらどうなるか?
逆算してみました。
まず拡張を除いた最低感度のISO200に設定するとしたら、6段分絞りとシャッタースピードで稼がないといけません。
シャッタースピードで稼ぐとしたら、ちょっと数字が中途半端であれですが、1.5秒くらいでしょうか。
楽勝でしたwww
しかも、絞りはF4のままなので、マイクロフォーサーズだとF8相当の被写界深度を稼げます。
本当、夜間でも全然無敵ですねw (ただし動体以外w)
もうちょっとF2.8のレンズを使うとか、試行錯誤して話が長くなるかと思いましたが、シャッタースピードだけで終わりました。
とはいえ、この6Dでの撮影も、手振れ補正付きのレンズでしたので、全然まだシャッタースピードを長くできたはずで、手持ちでもISO12800は上げすぎでしたね(^^;
やばい、この値段ポチりそうw