M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
この高級PROレンズを購入した一つの目的としては、そう、ライブハウスでの撮影です。
実は、少し前にE-M1 markIIと40-150mm F2.8でライブハウス撮影をしたのですが、F2.8だと1/80のシャッタースピードを得るには、ISO6400まで上げざるをえない明るさでした。
↓ 以前、ISO6400で撮った時の写真
M.40-150mm F2.8 ƒ/2.8 40.0 mm 1/80 6400
M.40-150mm F2.8 ƒ/2.8 82.0 mm 1/80 6400
ですので、現像で粒状感マシマシでフィルム風にして、雰囲気勝負に持ち込みました。これはこれでカッコいいのですけどね。好きです。
確か、このLightroomプリセット集TravlrのPORTRA800を当てただけです。
泣く子も黙る大三元だと思っていましたが、マイクロフォーサーズの弱点である、暗所動体撮影の厳しさが露呈してしまいました。
本当、ドMなのかドSなのかわかりませんが、星空、ホタル、夜の飛行機、ライブハウスとわざわざ苦手そうなものにチャレンジしたくなってしまいます。次は屋内スポーツの予定です(笑)
いざライブハウスで実戦!
今回は、もうこのレンズ 25mm F1.2 PROと心中するつもりでしたので、これ1本をたすきがけにしてバスに乗り込みました。
そしてコンビニで買ったチューハイ500mlを一気飲みして(ただ飲みたかっただけ)、ライブハウスに乗り込みました。
ある程度近くで動けるなら50mmはベスト。
この25mmF1.2PROは、35mm換算で50mm。王道標準レンズのど真ん中です。
単焦点といえども、ある程度動けるなら、演奏者の表情を捉えたり、引いてメンバー全員を納めたりと、ライブハウスでもいろいろな表現ができる焦点距離であります。
AFもバッチリ
40-150mm F2.8PROでライブハウス程度の明るさでは少々不安だったオートフォーカスですが、F1.2の明るさならスポットライトが当たってない演奏者にも迷うことなくビシッと最速で合ってくれます。
やはりF1.2の方が全然フォーカスが合います。
ファインダーを覗きながら、液晶画面をなぞってAFポイントを動かすAFタッチパッドで、素早くAFターゲットポイントを動かすこともできるのでとても快適でした。
AFトラッキングも使える
C-AFのTRモードで被写体をロックすれば、被写体である演奏者が動いても、フレーミングを動かしても被写体を追従してピントを合わせ続けてくれるのでとても便利です。
今回は、激しく動き回るバンドではなかったので、TRモードはあまり使いませんでしたが、これを使えば動きの多い演奏者でも捉えやすくなるかなと思います。
顔・瞳認識も使える
顔・瞳認識をONの時、被写体がある程度こちらを向いているとAFが自動で顔に合ってくれます。意外と反応も精度もいいと思いますが、2人をフレーミングしてしまうと思わぬ方にピントが入ってしまうので、結局OFFにしました。
SONYのα9のように、どんな角度になろうが瞳に食いついて離さないような、すごいAFではありませんが、ライブハウスのような暗いシーンでもしっかり認識してくれました。
RAW現像でノイズ処理しなくてちょうど良い
今回ISO1600と3200で撮影しまたが、やはり1600で撮るとディテールも彩度もしっかり残り、ノイズを処理しなくても良いくらいの雰囲気で仕上がります。
逆にノイズ補正をかけると、どうしても男性の荒々しい皮膚の質感が失われてワイルド感が無くなっていきますし、なんか現場(ライブ)感も失われてつまんなくなってしまいます。
今回は全てLightroomのみで現像しましたが、ノイズ補正はかけませんでした。
ISO6400まで上げてしまうと、ノイズにディテールが埋もれるほどになってくるので、(個人的には全然アリなのですが)ライブ写真をISO1600で撮れるということは人に見せる上ではベストバランスかなと思います。
程よいボケ具合
F1.2なのにボケすぎないというマイクロフォーサーズの利点でもあり欠点でもあるような部分ではありますが、こういったシーンでは過剰にボケすぎない方が良いと思います。
フルサイズであればF2.4に絞って、ISO感度を6400にあげるとこでしょうが、画質的にマイクロフォーサーズのISO1600の方が有利だと思います。
あとやっぱりライブには魚眼が欲しい!
もちろん前列をキープできる状況に限りますが、ライブハウスでの魚眼撮影は仕上がりもライブ感モリモリで迫力がありますし、撮影自体も想像力が掻き立てられてめっちゃ楽しいです。
やっぱりF1.8のこいつが欲しいと思いました(^^;
↓ 以前6Dと魚眼レンズで撮った時の写真
マイクロフォーサーズの弱点を補ってくれるレンズ
マイクロフォーサーズの弱点としては、フルサイズに比べ同じ画角なら2段分ボケが少ないことと(ぼかしたくない場合は利点でもあるが)、暗所にて動体を撮る際は、シャッタースピードを稼ぐために絞り開放かつISO感度をあげざるをえないのでどうしてもセンサーサイズ的に不利になります。
静止しているものなら、驚異の手振れ補正で1秒2秒は当たり前、10秒以上の手持ち撮影も(人によっては)可能ですが、被写体ブレはシャッタースピードで抑えるしかなく、そもそもの受光面積の少なさから感度アップによるノイズ増加が避けられないです。
そうした不満もF1.2と言う明るさで開放から使える描写ということなら、一気に不満は解消されます。
このレンズ、開放から全く問題なく十分シャープに使えます。
超キレキレという描写ではありませんが、F1.2の開放とは思えないほど解像しますし、色にじみやフリンジなどもほとんど気になりません。
それでいてボケが滑らかで綺麗。
さすがお高いだけはあります。
このレンズなら、フルサイズでF2.4と同じボケ量を、同じ画角で出すとこができます。
同じボケ量(被写界深度)をキープして同じシャッタースピードなら、ISO感度は2段下げることができるので、ノイズ面でも有利に働きます。
フルサイズでF2.4程度のボケ量までという条件ながら、フルサイズより有利に働くシーンは多くなります。
小難しくなってしまいましたが
と、まあ、小難しくなってしまいましたが、被写界深度を少し多めに取ろうとした場合、F値が明るく使えるマイクロフォーサーズはISO感度を抑えられるのでむしろ良いということです。
あとの弱点は、暗所の長秒露光(星空撮影)かな…
というわけで、F2.8のレンズに比べ、かなり快適に暗いライブハウスでの撮影が快適にできて、撮影も楽しかったです。
明るい単焦点ならMFという選択肢もあります。
それほど演者の前後移動があるわけでもないので、EVFで快適にMFができるミラーレス機なら大丈夫な気がしますがどうでしょうね。
次の大口径単焦点は42.5mmあたりを狙っていますが、ノクチクロンにしようか、ノクトンにしようか、妥協してルミックスにしようか。はたまた登場するかもしれない新PROレンズ?!と思いを馳せています。
17mmと45mmのF1.2PROレンズ
これを書いている間に出ました17mmと45mmのF1.2PROレンズ
噂はかねがねされていましたが、とうとう正式に出ましたね。
F1.2と言う明るさは、マイクロフォーサーズの対暗所動体性能と大きくぼかした表現と言う2大懸念材料を一気に吹き飛ばしてくれます。
ボケ表現については焦点距離やワークディスタンスでカバーできるシーンも多いのですが、今回のような暗所動体についてはISOを6400以上にあげざるをえなかった場面が多かったので、このレンズが揃えばフルサイズを選ぶ理由も少なくなるんじゃないかなと思います。
あと100mmのF1.8とか出ると屋内スポーツでもめちゃくちゃ戦えそうですが、とんでもない大きさと価格になりそうですね😅
E-M1 markII vs GX7 markII 画質比較 02 高感度ISO編 - toshiboo's camera