予約して発売日ゲットした SONY ZV-E10ですが、ちょっと使ってみると不満点が多々出てきましたので、書き出してみたいと思います。
ZV-E10ってどんなカメラ?
SONY ZV-E10は 2021年9月発売、"VLOGCAM"と銘打った主にVlogを撮影するYoutuberをターゲットとしたレンズ交換式のカメラです。
センサーサイズはAPS-Cになります。
有効画素数は2420万画素。
EVFなし、ボディ内手ブレ補正なし、モードダイヤルなし、前ダイヤルなし、とある程度機能を割り切ったモデルです。
ZV-E10のここがダメ
コンニャク現象がひどい
とにかくこれです。
SONY ZV-E10 ローリングシャッターテスト G9 PROと比較。 #ZVE10 pic.twitter.com/XMKVNEuh2n
— toshiboo🌧 (@toshiboo) 2021年11月11日
映像がグニャグニャに見えるいわゆるコンニャク現象、ローリングシャッター現象です。
このテスト映像ではカメラを三脚にたてて横に振っていますが、手持ちで歩いているシーンなどでもとても目立ちます。
特に広角の手持ち動画撮影時に顕著に表れます。
キットレンズのE PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS SELP1650 は広角端35mm判換算24mm相当になりますが、その画角でもかなりコンニャクのようにグニャグニャしてしまいます。
なので、さらに広角のレンズを使うものならとんでもないことになってしまうでしょう。実際、そのような映像も多々見受けられます。
後述するアクティブ電子手ブレ補正は1.44倍もクロップされるので、特に自撮りの時には超広角レンズが使いたくなるのですが…。
これは事前にわかってたら、買わなかったなぁという重大ポイントです。
手ブレ補正の効きが悪い
通常の電子手ブレ補正に加え、アクティブ電子手ブレ補正が搭載されていますが、これが全然効きません。画角だけはいっちょまえにかなり狭くなりますが。
もちろん、手ブレ補正OFFやノーマルの電子手ブレ補正に比べれば効いているはずなのですが、手持ちで動きながらなんてシチュエーションでは逆効果なんじゃないかと思うほどガクガクしてしまいます。
ボディ内手ブレ補正が搭載されたオリンパスやパナソニックのカメラに比べれば、雲泥の差で残念なものです。
先程のコンニャク現象とこの手ブレ補正のおかげで、手持ちで歩いて撮影するといったVLOGらしい使い方は諦めざるを得ません。
VLOGCAMとは一体何をもって名乗ってるのでしょうか。
ほんとこれをVLOGカメラとしてプロモーションして、先行レビューYoutuber達が称賛しているのはまったくアコギだなぁと思ってしまいました。
以上、筆者が感じた Sony ZV-E10 の大きな欠点ですが、ついでにこの勢いでもう少し欠点を挙げたいと思います。
操作性が悪い
モードダイヤルがなく、「動画」「静止画」「スロー」の切り替えはボタンで行うことになります。
これの反応が悪く、ワンテンポ遅れて切り替わるためすごく煩わしいです。
さらに3つのモードのトグル(交互切り替え)なんで、次が何モードかわからず「次だっけ?次の次だっけ?」となって 狙った撮影モードに切り替えられずイライラします。
シャッター優先、絞り優先などの撮影モードはもちろんAFモード、ISO感度など様々な素早く切り替えたい設定はボタンでも操作できず、メニューから選ぶことになります。
ある程度は Fnボタンのメニューに集約されているのが不幸中の幸いですが、モードダイヤルや専用ボタンでの操作に慣れている身からすると、ちょっと使いたくなくなるレベルで不便です。
まあ、モードダイヤルがなくてこうなることは予測できていましたので、割り切りと思って諦めるしかありません。
メニューの操作性も見た目もイマイチ
悪評高きソニーのメニューUIですが、予想以上にひどかったです。
まずメニュー項目の右を押すと決定ではなく、タブ移動してしまいます。
慣れの問題とは承知しておりますが、まだまだ慣れる気がしません。
かと思えば、メニュー内容によっては右で決定になる項目もあったりと一貫性がありません。
最近のソニー機は縦並びのタブを採用した新UIが搭載されているのに、なんでZV-E10は古いものを採用したのでしょうか。
まあ、古いソフトウェアを流用してコストダウンを図ってるのは予想つきますが…。
ダイナミックレンジも狭そう
正確に検証測定したわけではありませんが、ダイナミックレンジも割と狭そうです。
マイクロフォーサーズ機であるE-M5 markIIIとの比較動画でもわかりますが、センサーサイズのアドバンテージを全く感じない印象です。
もちろんLog撮影などでカラーグレーディングを行えばその限りではないと思いますが、標準のクリエイティブスタイルではすぐ白飛びするなという印象です。
そもそもソニーのクリエイティブスタイル スタンダードは好みでないので、次の機会は違うピクチャープロファイルも試してみたいと思います。
次の機会があればですが。
ちょっと良い点
商品レビューモードは素早く手前のものにAFが動いて、まさに商品レビューにうってつけです。
ただ、キットレンズでは最短撮影距離が長くてピントが合ってないことが多々ありました。
あまり寄れないレンズです。
美肌モードもなかなかいいなと思いました。
筆者の荒れた肌も多少改善されます(笑)ま、おっさんの肌を改善してもしょうがないって話もありますが、ちょっとでも見苦しさが和らげばと思います。
ただちょっと加工したわざとらしさはどうしても出てきますね。
コンパクトなボディもなかなか良いです。
コンパクトながらグリップもしっかりあって、操作性が良ければ最高のスナップ機になった気がします。
ただシャッターボタンはエルゴノミクス(人間工学)を全く考えていないような配置でめちゃくちゃ押しにくいです。いっつも間違えて録画ボタンを押してしまいます。 VLOGCAM( ) としては録画ボタンの位置は正解かもしれませんが。
とびきり安くてそれなりに使えるカメラ
散々悪口を書きましたが、レンズキットで実売8万円ちょっとという価格はかなりインパクトがあります。
ローリングシャッター現象とあまり効かない手ブレ補正と、操作性の悪さを覚悟の上で買うのであれば全然良いかと思います。
ただ、巧みなプロモーションと悪いとこを言わないYoutuberに騙されて、安いからと飛びつくと痛い目を見るかもしれません。
筆者的に手放すのは時間の問題な気がしますが、もうちょっと活路がないか模索してみたいと思います…。