LUMIX S5 のレンズキットとして購入しましたパナソニック LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6 を おおよそ半年間使用しましたので、レビューしたいと思います。
スペック
- レンズ構成 9群11枚(非球面レンズ2枚、EDレンズ3枚、UHRレンズ1枚)
- 絞り羽根 9枚 (円形虹彩絞り)
- 最小絞り F22
- 最短撮影距離 0.15m
- 最大撮影倍率 0.43倍(焦点距離26mm)
- フィルター径 φ67mm
- 外寸 φ77.4mm × 87.2mm
- 重さ 約350g
- 防滴防塵
風景にもスナップにも適した絶妙な焦点距離
標準ズームながら広角端20mmと超ワイドなスタートとなるレンズです。
望遠端は60mmと少し短めですが、実際に使ってみると今までのズーム域とは一味違った、絶妙な焦点距離であることがわかります。
60mmというのは標準単焦点(50mm)から被写体へ一歩踏み込んだような画が撮れる、個人的にも非常に大好きな焦点距離です。
もちろん広角端の20mmは、普通の標準ズームレンズでは味わえない構図が得られ個性的な画作りに一役買っくれます。
軽量コンパクトサイズなことも加わり、非常にスナップが楽しいレンズでした。
Youtuber自撮りしやすい20mm
筆者のようにYoutube撮影などで自撮りをする際には、やはり軽量コンパクトさと20mmというワイドさがありとても使いやすかったです。
手持ちで撮影するのに軽いことは重要ですし、これくらい"引き"だといわゆる「おっさん圧」が弱まってなんとか見てられる画になります 笑。
外観
LUMIX Sシリーズらしくシンプルにまとまったデザインです。
何度も言ってますが、とにかくコンパクトで軽量です。
フィッティング
さすが、キットレンズだけあってLUMIX S5にはベストマッチ。とても軽快に撮影することができました。どこにでも持って行きたくなりますね。 ほんとスナップには最適です。
LUMIX S1Rだと少しボディがあまり気味ですが、これほどまでにS1Rを軽やかに使える機会は少ないのでとても斬新でした。S1Rの操作性や美しいEVFが軽量に使えるので、これはこれでめちゃくちゃよかったです。
超コンパクトボディであるSIGMA fp にもとてもぴったりです。
というかSIGMA fpに似合うズームレンズはこれしかないんじゃないでしょうか。
やはりなんらかのグリップは欲しいところですが、これまたスナップが楽しかったです。
ファインダーないこともありLUMIX S5とはまた違った楽しさと軽やかさでした。
レンズの伸縮
ズームで望遠側に行くほどレンズ鏡筒が伸びます。
伸び具合はこれくらいです。
描写テスト
広角端20mm
広角端20mmにて全体を縮小して並べました。
周辺減光量などの参考に。
右上周辺部分を等倍でトリミングして並べました。
望遠端60mm
広角端60mmにて全体を縮小して並べました。
右上周辺部分を等倍でトリミングして並べました。
広角、望遠とも中央部は開放から十分シャープな描写です。 さすがに今時のレンズで中央が甘いことはないでしょう。
広角端の周辺部に行きますと、若干甘く滲むような描写も見られます。F5.6でシャープになりF8で解像のピークを迎えます。
望遠端の周辺になりますと、広角端ほどの甘さはなく開放から十分シャープと言えるでしょう。
こちらは絞ってもあまり変化がなく、むしろ開放F5.6が解像のピークに見えます。
LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.と24mmF4にて比較
LUMIX S1RのキットレンズでもありますLUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.の広角端24mmを比較してみました。
左がLUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.、右がLUMIX S 20-60mm F3.5-5.6で右上周辺部を300%拡大して並べました。
LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.に比べ、LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6はかなりシャープに描写しているのがわかると思います。
こちらは全体を表示したものです。 LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6は周辺減光もかなり少ないです。
周辺の解像も減光も、思いのほか差があるのでびっくりしました。
LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.でも悪くないと思ってたのですが、LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6はさらに優秀ですね。
逆光
開放F3.5
最小絞りF22
全くゴーストが出ないわけではありませんが、フレアもよく抑えられていて、逆光性能もかなり良いです。
F22での光条も綺麗です。
パナソニックは割と光条の先端が広がるレンズが多いんですが、このレンズはシャープに出ます。
ボケ味
広角寄りで、F値も大きいことから、意識せずに撮るとあまり大きなボケは得られませんが、ざわつくことが少ない端正なボケだと思います。
玉ボケは多少フチが強く出ますが、形状は悪くないです。
実は26mmだとかなり寄れる
最近気付いたのですが、実はこのレンズ結構寄れます。
なぜ最近ようやく気付いたかと言いますと、最短撮影距離、最大撮影倍率を発揮するのは広角端でもなく望遠端でもなく26mmだったんですよね。
全然知らなくて、「このレンズ意外と寄れないな…」と不満を抱きながらスナップしていました。
焦点距離26mmだと 15cmまで寄れて 0.46倍とほぼハーフマクロくらいまで大きく撮れるんですよね。
めっちゃいいじゃん…。
まとめと作例
発売直前は、デジカメwatchの周辺が流れまくってる作例を見て憂いていましたが、実際に使ってみるとそんな心配は必要ありませんでした。
蓋を開けてみれば、LUMIX Sの試金石の一つとも言えるLUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.よりも端正な写りで、そのコンパクトさや価格から想像する以上の写りだと思います。
個人的にはLマウントでスナップをするなら最適なレンズかと思います。
やはりSIGMA fpに装着することを考えれば、手ブレ補正が欲しかったとこですが、このコンパクトさ軽量さやお手頃価格なことを考えれば致し方ないとこかなと思います。
どうしても手ブレ補正がほしい場合はLUMIX Sシリーズに組み合わせることになるでしょう。その点やはりコンパクトながらボディ内手ブレ補正がよく効くLUMIX S5が最高の組み合わせでしょう。
常用標準ズームとしても十分な描写性能を備えており、LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.よりもさらに周辺画質が良く、個性的なズーム域で、いつでも持ち運びたくなるほどコンパクト。
指折りの"楽しめるLマウントレンズ"の一つかと思います。