【追記】
2022年3月16日 PureRAWがバージョンアップし、PureRAW2になりました!
なりましたと言っても無償ではなく税込8,500円の有償バージョンアップとなります。残念w
新規購入は税込1万3,900円です。
画質についてはまた追ってレビューをしたいと思います。
個人的に注目するのは、Lightroom Classic CC のプラグインとして使用することができるようになった点です。
今まで自分がやっていたワークフローは、LightroomのサムネからFinderで表示させてPureRAWで開いて、処理して、書き出して、またLightroomで読み込んで…とめっちゃめんどくさかったんですよね。
これがほぼワンストップでできるようになるのはとても便利だと思います。
あとFinderやwindowsのエクスプローラーから右クリックでPureRAW2の処理ができるようです。
Appleシリコン搭載Macでは最大4倍、Windows OSでは1.5倍と処理の高速化も図られました。
富士フイルムのX-Trans CMOSセンサーにも対応しました。
対応カメラとレンズの組み合わせも7万組以上に向上しました。
先日、初めてカワセミを撮りに行ってきました!
実際に撮ってみると、想像以上にISO感度を上げる必要があるのでビックリしました。
天気の良い日中だったんで完全にナメてました。
飛翔やダイブシーンに備えシャッタースピードを1/2000とか1/4000秒まで上げるとISO感度6400くらいまで上げる必要があるんですよね。いや、それでも足りないことも多々。
持っていったカメラとレンズはLUMIX G9 PRO + LEICA DG ELMARIT 200mm/F2.8。
2倍テレコンをつけると800mm(35mm換算)ながら絞り開放はF5.6、1.4倍テレコンなら560mm相当 F4。明るさ十分かと思っていたら甘かったです。
しょうがないので被写体ブレとISO感度ノイズを天秤にかけてISO6400まで上げました。
家に帰って写真を取り込んでみると、マイクロフォーサーズのISO6400は、やはりというか鑑賞に耐え難いものでした。
そこで、以前から噂は耳にしていたDxOのPureRAWを試してみることにしました。
するとびっくり。
あの鑑賞に耐え難かった写真がモノの見事に甦りました。
その効果たるや想像の遥か彼方上を行くものでしたので、是非とも紹介したいと思います。
使い方は超簡単
使い方は説明するほどのこともないくらい簡単です。
RAW画像をドラッグアンドドロップ(またはダイアログで選択)して「画像を処理」ボタンを押すだけ。
RAW画像以外は読み込めません。(あとSIGMA fpのDNGには2021年6月現在対応してませんでした…他にも非対応機種があるかも)
初回はカメラとレンズに適合したDxO光学モジュールをダウンロードする必要があります。
処理方法にはDeepPRIME、PRIME、HQの3種類があります。それについては後ほど比較します。
非常に簡単なんですが、Lightroomから外部プラグインとして使う方法はないようです。
逆にエクスポートの際はLightroomやPhotoshopに書き出すことが可能です。
まあとにかくその効果をご覧ください
前置きが長くなりましたが、実際にその効果をご覧いただくのが一番かと思います。
ホントびっくりですよ
その違いがわかりやすいよう、Lightroomで無補正の画像を300%拡大表示したものをスクリーンショットで比べてみます。
ISO1600
ISO3200
ISO6400
という感じで、びっくりのノイズ軽減処理です。
ノイズが消えるだけじゃなく解像感もマシマシになってるのがホントもはや謎ですよね。
一体どんなトリックを使っているのでしょうか。
星にも当ててみた
星にも使えますか?!と質問をいただきましたので、昔撮った写真を引っ張り出してきました。
何年も星を撮ってなかったので、なかなかちょうどいい写真が見つかりませんでした。なんとか赤道儀で追従したものがありましたのでそれにPureRAWを当ててみました。
LUMIX G9 PRO にて180秒露光 ISO1600 です。下の画像は拡大表示のスクショです。
星に関しては、確かに高感度ノイズも長秒ノイズも消えてすごいことはすごいんですが、多少大事な何かも消えてしまったような気もします。なんか色が抜けのっぺりしましたし処理が不自然なところも。星も減った気が🤔
あと、無補正の状態で引きで見た画像を比べると、PureRAWの方はフラット補正が効きすぎたのか周辺が白んでしまいました。左側の熱かぶりもより目立ってしまってます。
今回のように何枚かスタックすること前提の画像には、処理の手間も含め使う必要はないでしょう。
ダークフレームがうまく当てれた試しのない自分のような素人には、長秒ノイズまで消してくれるのはありがたいんですが。
一枚ものの高感度撮影だともっと有用かなという気がします。
ももう少し使い所を試してみたいと思います。
ただ星景写真でも他の方の作例では、美しく仕上がってるものも多いので、 今回の自分の作例がマッチしてなかっただけなのかもしれません。
ちょっと久しぶりに星を撮りに行きたくなりましたw
追記:レンズ補正が効き過ぎている?
このフラット補正(周辺減光補正)が効き過ぎている問題について。
マイクロフォーサーズのレンズプロファイルはRAWに埋め込まれていて、Lightroom上でもON OFFできない状態になっています。
それに加え、DxOも独自の光学モジュールデータを持っており、それを用いて補正することができます。
埋め込みプロファイルのことを忘れて二重にかかっているとはさすがに考えにくいですが、単に効き過ぎているにしてはひどい結果な気もします。 こういったシーンは想定外だったのでしょうか?🤔
魚眼レンズでは歪曲補正がばっちし効いて、もはや魚眼レンズの意味がなくなってしまっているなどの事例も報告があります。
PureRAWの光学モジュールでは歪曲補正や周辺減光補正のみにとどまらずシャープ補正もかかるようですので積極的に使いたいところではありますが、もう少し正確な挙動がわかるまでは光学モジュールOFFの方が無難かなと言う気もします。
参考記事
処理方法は3種類
PureRAWの処理方法はDeepPRIME、PRIME、HQの3種類があります。
ネーミング的にDeepPRIMEが一番重い処理かと思いきや、処理時間は一番短く、HQ、PRIMEと順に長くなります。(画像によってはHQが一番早いことも)
その3種の処理を比べてみるとDeepPRIMEが圧倒的に綺麗な仕上がりです。
先程の星の写真で比べてみると、PRIMEの方がやりすぎなく自然な感じだと思います。
追記:スーパー解像度を追いがけ
AdobeのCamaraRAWに搭載されました、AIテクノロジーで解像度を4倍にする「スーパー解像度」をPureRAWで処理した画像にかけてみました。
実際のリアル画素数やハイレゾショットの類には敵わないものの、かなり実用的な印象ではあります。
カワセミなど野鳥撮影ではある程度トリミングが必要となってきます。多くても2000万画素クラスのマイクロフォーサーズ機にとっては実にありがたい機能です。
ここまで無茶なトリミングをしても約600万画素ほど残すことができました。WebやSNSでは十分なのはもちろん、A4サイズくらいのプリントなら十分な画素数です。
ただディティールについては微妙に不自然なとこもあったりはします。 この辺はスーパー解像度のさらなる進化を期待したいところです。
追記:ファイルサイズについて
画像のファイルサイズについて調べてみました。
上からオリジナル、PRIME、HQ、DeepPRIME、DeepPRIME+スーパー解像度 です。
元RAWデータの24.2MBに対して、3倍近い72〜87MBまでファイルサイズが膨れています。
全てのRAWデータを一括でPureRAW処理を行ってからLightroomで現像…とするにはちょっと容量的にもしんどいかなと言う感じです。 処理時間的にも結構かかってしまいますので、やはり狙いどこを定めての適用が望ましいと思います。
一番下のCameraRAWのスーパー解像度をDeepPRIMEに追いがけしたものは 327.5MBものサイズになってしまいました。まあ画素数4倍ですからね…。
まとめ
Lightroomからの連携がもう少しスムーズに行けば文句ないところですが、それは今後のアップデートを待ちたいところです。
しかし、驚きのPureRAW。いやーすごいですね。
ノイズ軽減処理もここまできたかという感じです。
特に暗所の動きもので苦労するマイクロフォーサーズですが、PureRAWがあれば、怯まずもう一段、いや二段ばかし ISO感度を上げられるのではないでしょうか。
ほんとマイクロフォーサーズの弱点を一つ消してくれる素晴らしいソフトウェアです。
あ、もちろんマイクロフォーサーズじゃなくても使えますよ!
とりあえず30日間お試しができるので、ダウンロードしてみて手持ちのあきらめていた画像を甦らせてみてはいかがでしょうか。