さて、話題沸騰してしまったFUJIFILM X100Vのプロモーションによる写真家 鈴木達朗氏のストリートスナップ撮影風景ですが、燃えに燃えて大炎上してしまいました。
(この記事では鈴木氏の撮影手法のみ問題視しており、FUJIFILMの対応や鈴木氏との関係またはその他の問題に関しては言及しておりません。)
まだご覧になってない方のために簡単に説明しますと、東京の雑踏を歩きながら突然カメラを人の顔の前に差し出し超至近距離で撮影、さらにはほとんど人が歩いていないところでも一人に詰め寄り路肩に追い込んで顔を撮影するというモノでした。
公式動画は早々に削除されて見れませんが、消せば増えるの法則で違法にアップロードされた動画がうじゃうじゃあります。
筆者の個人的見解では、「ストリートスナップはありだと思うが、あのスタイル(手法)は今の日本でないだろ」という考えです。
だって、もし自分の愛娘がそんな撮られ方したならブチ切れますよね?
自分の可愛い娘があんな撮り方されたと思うとゾッとするし許せんよな。あんな手法でしか表現できないならそんなの滅べばいい。ま、俺に娘はおらんけど。
— toshiboo⛅ (@toshiboo) 2020年2月6日
いわゆる被写体に気づかれないように撮る「キャンディッド・フォト」という類自体、今の時代にそぐわないと思います。
写真の結果だけを見て、アートの表現としては理解できるし、魅了されてもしまうのですが、他人に嫌悪感、時には恐怖感溢れる表情を誘発してまで撮影する、そんな他人を侵害する権利があるとは到底思えません。
撮影者も被写体も読者もみんな笑顔に!をコンセプトに筆者の真面目な考えをもとに多少面白く書いてます。
実は盗撮でも犯罪でもない
一番困ったことに、このキャンディッド・フォトという撮影手法自体、盗撮でもなければ犯罪でもないんですよね。
迫ってきて勝手に写真撮る変質者がいます!って交番に駆け込んでも、警察は何もできないんですよ。問題になったとしても民事ですから。職質くらいはしてくれるかもしれませんが。
調べたところ盗撮というと軽犯罪法で覗き見に当たる部分ですが、「正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者」となっています。
東京都の迷惑防止条例では下着などを撮影しようとする行為まで含められます。
要は、公衆の場で見えるものには当てはまらないんですよねー。
追記:そういえば鈴木氏の作品に公衆トイレで鏡ごしに男性が用をたすシーンを撮影したものがありました。これはさすがに法的にもアウトでしょうね…。
肖像権は?
肖像権・プライバシー権というのも日本の法律では明文化されてないです。
判例などで肖像権は認められているものの、何らかの実害がないと肖像権の侵害とは認められないかと思います。
経済的や精神的な実害があっても、先ほども書きましたが警察はどうこうしてくれることでもありません。民事ですから。
よくて発行物やSNSの写真を差止請求するくらいでしょうか。
筆者も法律に詳しいわけではない(むしろ疎い)ので調べた限りですが、こんなとこでしょう。
自分で防ぐしかない
となると、自分でどうにかするしかないのが現状なんですよね。
そこで、あのような手段で撮影されそうになった(された)場合にできる対処法を考えてみました。
器物損壊、暴力はダメ、ゼッタイ
そりゃ、怒りますよ。僕の愛する可愛い娘があんな身勝手で強引な手段で撮られたら。
でもカメラを振り払ったり、叩き落としたりしてはいけません。
器物損壊罪になります。
当然、突き飛ばしたりぶん殴ってもいけません。暴行罪、怪我をさせたら傷害罪になります。
したい気持ちはやまやまですが、犯罪です。捕まります。
相手はいくら撮っても無罪です。
愛娘があんなことされたら筆者もぶん殴ってしまう気がしますがここはぐっとこらえましょう。
筆者に娘はいませんが。
注意して消してもらう
現実的にはコレがもっともな答えでしょう。
ただ相手はダブルカードスロットで同時記録しているかもしれませんし、iPhoneに即時転送しているかもしれません。
消した所作を見せながらもきちんとバックアップは取れているかもしれません。
しかも、あの撮影動作を見る限りそんな注意できる隙すらなさそうです。
撮られる側が「えっ」ってなってるウチにニヤニヤしながら逃げてるではありませんか。
何とか相手を捕まえて、注意することをみんなで繰り返してめんどくさく思わせるのは効果がありそうですが、その程度ではビクともしないでしょうね🤔
カメラを持つ異様な動きが見えたら
突然ポケットからカメラを出されたらどうしようもないのですが、あの異様な動きは遠目からでも確認できるかと思います。
そんな動きを確認してからの対処法を考えてみたいと思います。
撮り返す
目には目をということで撮り返しましょう。
さっとスマホを取り出して相手の顔面に持っていきましょう。
相手がひるんだところでiPhoneのバーストショットの連写音を聞かせてやりましょう。
威嚇するには動画よりもバーストショットです。
ただ、相手と同じように執拗にカメラを向けて撮るというのも、そもそもその行為に嫌悪感を示している側が取れる行動でもないですね。
撮れたとしてもSNSで注意喚起を促すことくらいでしょうか。誹謗中傷はいけませんよ。それはこっちが悪くなってしまいます。
レンズを触る
コレは効きます。
カメラマンは前玉に直接触れられることをもっとも嫌います。
金玉じゃなくて前玉ですよ。
どんな感覚かといえば、バックミラーの鏡面をベタベタ触りながら動かされる感じです。嫌でしょう〜。それよりさらに嫌な感じです。
ただですねーどうやらプロテクトフィルター付けてるっぽいんですよねー。
この3歳児並みの反撃を予測してか、きっちり防御力を高めています。
勢い余ってカメラを落とさせないように気をつけてくださいね。
とっさに顔の脂を指先にとって擦り付けてやるとより効果的です。
怒る
コレはまさに相手の思う壺です。
相手は、その表情こそ撮りたかったと思っている可能性大です。
戸惑い、驚き、怒り。そんな表情こそ、より「攻めてリアルな東京撮ってる俺エクスタシー!」となるのです。知らんけど。
逃げる
東京の雑踏の中逃げるのは難しいかもしれませんし、怪我をしてもいけません。
そもそも、相手の身勝手な行動のために何でこっちがそんなリスクを背負わなきゃいけないのか納得がいきませんしそれだけで腹も立ちます。
顔を隠すのが関の山かもしれませんが、その瞬間でさえリアルな東京になってしまいそうです。
ストリートスナップは正面から撮れと教わった
真面目な余談ですが、ちなみに筆者も、写真を先生に教わっていたことがあります。
「ストリートスナップを撮るなら正面から狙え。できるか?」みたいなある種度胸試し的なことも言われたりしました。
ぜんぜん言い回しは優しい感じだったのですが、ビビリな筆者には到底できませんでした。
まあ、この時はメインの授業内容でもなかったので全然深い話はありませんでしたが。
こういうストリートフォトとしての価値観の上に成り立っているもんだったんだと感じます。
当然今の時代にはそぐわないものです。
全力でアヘ顔ダブルピース
最強の解決策がコレですよ。
カメラを向けられたら笑顔でピースサインを繰り出しましょう。
できれば全力アヘ顔でダブルピースです。
撮る側からしたらそんな昭和の学生の思い出写真のようなものを撮りたいとは思わないでしょう。
コレは効果絶大です。
いや、案外一周回って「コレがリアルな東京2020」とか言いだすかもしれませんが、それはそれでみんな笑顔でいいじゃないですかw
16年前 ニューヨークでの出来事
というのも、16年前にニューヨークでスナップ、観光で道ゆく人の横姿なども含めたショットを撮っていたら、多くの人が笑顔だったりポーズとってくれたりするんですよね。
お前撮ってるんじゃないんだけどwwwと思いつつカメラをそっちに向けます。
ちょっとだけ怒られたらどうしようなんて思ってたりしたので、めちゃくちゃ心がほっこりしました。
この時に筆者は、カメラを突然向けられても全力笑顔でピースしてやろう!と心に誓いました。結構マジで。だってみんなハッピーじゃん。
そのきっかけの出来事、もちろんみんながみんなそうしてくるわけではないですし、16年前と今日では当然時代も違います。
何しろ国民性が違いすぎるんですけどね。
でもなんか、こうありたいなと思いました。
本当は、もうちょっとこんな感じで世の中おおらかになればみんなハッピーでいいなとは思うのですが、誰もがカメラ(スマホ)を持って即発信できて、万が一でも危険な目にあう可能性もある時代となっては難しいのだろうと思います。
写真史としてもこのような芸術的評価があることもわかりますし、撮影者として表現者としてのめり込む気持ちも実はすごくわかるのですが、他人が嫌がるような手法じゃないと表現できないのであれば、そんな芸術は滅んでしまえばいいと思います。
なので、みんな全力笑顔でダブルピースをしようじゃないですか!!!
追記:ここまで面白くは書きましたが、真面目に思っていることで、撮影者も被写体も笑顔になってほしいし、これを読んでくれる方にも笑顔になってほしい思いです。
ストリートスナップ自体も否定しませんしむしろ好きです。ただあの恐怖心すら与えるやり方がどうかと思ったまでです。
もっとハッピーな手法で芸術表現を極めていただきたいと思います。
ノンカメラマンのみなさんが街でカメラを持った人を見ただけで嫌悪感を持たないことを願います。
ストリートに限らずマナーを守った撮影を心がけましょう。